昔ながらの暮らしを送る部族のビタミンとミネラル摂取量がハンパなくてビックリした件
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こないだ「狩猟採集民はハンパない量の食物繊維を摂っている!」って話を書きましたので、ここでは「伝統的な部族は栄養素の摂取量も凄いよ!」って話でも。
世界中の伝統部族の暮らしを調べまくった男
そこでとても参考になるのが、「食生活と身体の退化」なる本であります。1930年代に、アメリカのウェストン・プライス博士が「なんで現代人はこんな不健康なの?」って疑問を持ちまして、世界の伝統部族の食生活を調べまくったんですね。その成果を一冊をまとめたわけです。古い研究ではありますが、1930年代のライフスタイルをいまも維持している狩猟採集民は少なくなってきたんで、博士が残したデータは現在でも超重要。膨大なリサーチの結果、博士がおすすめする食事法は、
- 加工食品を食べない!
- ちゃんと自然飼育された肉を食べる!
- 乳製品は生か発酵されたものを食べる!
- オイルは伝統的な油脂だけ使う!
- 新鮮な果物と野菜をいっぱい食べる!
- 穀類やナッツは抗栄養素を減らしてから食べる!
みたいな感じになっております。パレオダイエットの走りみたいな内容ですね。よりくわしいガイドラインが気になるかたは、公式サイトの「栄養指針/食生活の指針」をどうぞ。
ビタミン10倍、ミネラル20倍
本書では狩猟採集民たちが摂取している栄養素の量も出てまして、これが現代人と比べるとかなり多いんですね。具体的に「伝統的な部族は現代人の何倍の栄養を摂ってるの?」ってあたりを紹介すると、みたいな感じになっております。これは1930年代の西洋の食事との比較なんで、現代ではもうちょい差が縮まってるかもですが、それでも伝統的な部族が大量の栄養素を摂ってるのは間違いなさそうですねぇ。ちなみに、ここにあげたのは代表的な例だけで、ほかにもビタミンB群やビタミンCなども、西洋人と部族民ではかなりの開きがある模様。
こういったデータを見て痛感するのは、狩猟採集民と同じレベルの栄養を摂ろうと思ったら、お菓子やパン、白米などを食べるスキがないなーってことでしょうか。なんせ砂糖や精製された炭水化物はカロリーの質が低いんで、 ムダにカロリーばっか摂ることになっちゃうんですよね。
そのほかにも栄養を減らす要素としては、
- 精製糖や果糖ぶどう糖液糖:代謝のためにビタミンB群、ビタミンC、カルシウム、マグネシウム、クロミウムを使う。
- ストレス:ストレスに対抗するためにビタミンB群、ビタミンC、カルシウム、マグネシウム、亜鉛が消費される。
- 市販薬、処方薬:ビタミンB群、カルシウム、マグネシウム、亜鉛、メラトニン、コエンザイムQ10が消費される。
- アルコール:1日140ml以上を飲むとビタミンB1、ビタミンC、葉酸、マグネシウムが消費される。
といったあたりが大きい感じ。現代的な暮らしは、ビタミンやミネラルの消費スピードも加速させるわけですね。この問題を解決するには、やはりカロリーの質に気を配りつつストレス対策にはげむしかないんでしょうなぁ。
さらに伝統的な部族の暮らしに興味があれば、ぜひ「食生活と身体の退化」をどうぞ。ただし日本語版は高いので、原著のキンドル版が安くてオススメです。簡単な英語で書かれているので、難易度はそんな高くないはず。
Nutrition and Physical Degeneration: A Comparison of Primitive and Modern Diets and Their Effects (English Edition)
posted with カエレバ
Weston A. Price 2011-10-17