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生まれつきの天才5,000人を45年追いかけたら何がわかったか

Genius

  

5,000の神童を50年にわたって追いかけてみた!」って研究(1)がおもしろかったんでメモ。

 

 

これはヴァンダービルト大学の調査で、1971年に5,000人の神童を選び出して、そこから全員がどうなったかを調べていったんですな。どうやって神童かどうかを決めたかというと、全国統一テストやIQテストで上位1%に入った子供を選んだらしい。

 

 

調査のタイトルは「数学的に早熟な子供に関する研究」になってまして、おもに数字や論理力が高い子供を追っかけております。最終的には全員の大学進学やキャリアまでチェックしていて、天才を調べた研究としては最長の内容ですね。



 

頭がいい子はどうなるか?どう接するべきか?

で、なにがわかったかというと、以下のような感じ。

 

 

1.子供時代の天才はやっぱり成功する

子供時代に成績が上位1%だった人は、成人してからも収入が多い傾向があったそうな。だいたい平均で全米のトップ5%の高収入者に入ってたというからすごいもんです。

 

 

研究者いわく、

 

信じようと信じまいと、子供のころの天才は私たちの社会を動かしている。子供時代に上位1%だった者は、長じてから有名な科学者、研究者、フォーチュン500のCEO、連邦判事、上院議員、億万長者になる可能性が高い。

 

とのこと。IQが高いと金と名誉を手に入れやすいってのは昔から言われてたことですが、やっぱりそうかーみたいな感じですな。

 

 

2.ただし神童は意外と世話をされにくい

というわけで神童は何かと有利なわけですが、実は天才の子供は、教師に世話してもらえないって問題があるらしい。というのも、だいたいの教師は成績が悪い生徒に目をかけがちなので、そのぶん神童には時間を割かない傾向があるみたい。

 

 

ってことで研究チームは、「成績が違う生徒をまとめて教えるようなカリキュラムを組むのはやめておけ!」って助言をしております。天才を活かすには個別の指導をしたほうがいいんだよ、と。そりゃそうでしょうな。

 

 

3.神童は飛び級させるべし

全体的に、子供のころに頭がいい人は飛び級させちゃったほうがいいとのこと。データを見てると、飛び級をした神童は、飛び級をしなかった神童にくらべて特許や博士号を取る確率が60%もアップしたそうな。

 

 

4.基礎学力テストの成績は結構正確

よく「天才は学力テストじゃ計れない!」みたいな意見もあるんですけど、データを見る限りそうでもないらしい。普通にSAT(アメリカの標準テスト)の点数が高い人は、ちゃんと全体的な知性(IQだけじゃなくて空間認識の知性なんかもふくむ)も高くて、後に成功する可能性が高いんだそうな。

 

 

 まとめ

ってことで、「生まれつき頭がいい子は大人になっても成功するよ!」という実に当たり前の事実が明らかになったのでした。やっぱ頭がいい子はガンガン飛び級させちゃったほうがいいんですねぇ。

 

 

とはいえ、もっと多いデータセットを使った研究では「IQよりも性格のほうが大事」って結論も出てますんで、私のように子供時代に勉強ができなかった人は、とりあえず成長マインドセットを鍛えておくことを意識するとよさげですねー。

 


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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