今週の小ネタ:リーダーとIQ、ストレスと脳の老化、ジュースと禁断症状
ひとつのエントリにするほどでもないけど、なんとなく興味深い論文を紹介するコーナーです。
組織のリーダーに適したIQはどれぐらい?
まずはローザンヌ大学などの研究(1)で、7つの多国籍企業から379人の中間管理職を集めてリサーチをしております。なにをチェックしたかと言いますと、
- 全員のIQとパーソナリティ
- 部下や上司からどのように思われているか
といった感じで、知性とリーダーシップの関係を調べたわけですね。
で、結果はこんな感じです。
- IQが118ぐらいの人が、「リーダーとして有能だ!」と評価されやすい
- が、IQがそれ以上だと逆にリーダーとしては評価されなくなる
平均のIQは100なんで、118って数字は結構高め。だいたい東大生ぐらいのIQですね。
というか、以前にも「モテるIQってどれぐらい?」みたいな調査がありましたが、こちらは「120がモテのベストIQで、それ以上だと逆に人気がなくなる」みたいな結果でした。リーダーシップとほぼ似たような数字が出てるのがおもしろいっすねー。
ちなみに、IQが高すぎると悪影響が出るのは、あまりに頭が良すぎて逆にコミュニケーションが難しくなるからだそうです。なんか切ないですなぁ。
ストレスコーピングと頭の老化
次はオレゴン州立大学などの研究(2)で、平均年齢80歳の男女111人が対象。こちらは何を調べたかと言いますと、
- どれぐらい日常的にストレスを感じてるか
- 頭はどれぐらいスピーディに回転してるか
など。調査期間は2年で、ストレスの対処能力と頭の良さの関係性を見ております。
もちろん、その結果は皆さまの予想どおり、
- ストレス対処がうまい人ほど頭がいい!
って感じです。なんでも、「友人と話す」とか「カラオケに行く」とか、細かいストレス解消法をたくさん持ってる人ほど高齢になっても頭が良いままでいられる傾向が高いらしい(「超ストレス解消法」に書いたコーピングレパートリーですな)。
研究者いわく、
日常のストレスを消し去るのは基本的に不可能だ。しかし、ストレッサーに立ち向かうためのスキルをつねに持っておくことはできる。
ってことなので、ぜひ皆さまも、自前のストレス対処法をあらかじめそろえておくことをおすすめします。
砂糖入りジュースを急にやめたらどうなるか?問題
最後はカリフォルニア大学などの研究(3)で、13〜18歳の若者25人が対象。どんな実験だったかと言いますと、
- まず5日間だけ砂糖入りの一般的な清涼飲料水を飲んでもらう
- その後3日は水か牛乳に切り替える
って感じ。ドラッグを急にやめたときみたいに、砂糖入りジュースを急にやめたらどうなるかを調べたわけです。
それでどんな現象が確認されたかと言いますと、
- モチベーションの低下
- 集中力の低下
- 気分の悪化
などなどだったそうです。サンプル数が少ないのでなんとも言いがたいところですが、パレオダイエットを始めた人なんかも「急に加工食品をやめたらイライラして……」みたいな体験をするケースが多いんで、感覚的には納得しちゃうかなぁ。
研究者いわく、
あらゆるデータは、砂糖入りの清涼飲料水が慢性病を引き起こす可能性を示している。今回の研究は、若者の健康にさらなる懸念を呼び起こすものだ。
とのこと。もちろん、これは毎日のようにグビグビ飲んだらやばいよーって話で、たまにジュースを飲むぐらいならなんの問題もないっす。とはいえ、すでにジュースが習慣化しちゃってる方は、いったん断ち切ったほうがいいでしょうねー。