高齢者は午前中のほうが頭がよく、若者は午後のほうが頭がいい……かも
https://yuchrszk.blogspot.com/2019/07/blog-post_23.html
よくビジネス書などでは「大事な活動は朝にしよう!」みたいなアドバイスが書かれるわけですが、トロント大学の研究(R)は「若い人は午後の方が脳の機能が高いよ!」みたいな内容になっておりました。
これは33人の男女を対象にした研究で、そのうち約半分が60–82歳の高齢者、残りが19–30歳の若者だったそうな。具体的にどのような実験だったかと言いますと、
- 高齢者グループと若者グループに、脳機能を測るテストをする(フランカー課題とか)
- 両グループとも午前(8.30am 〜 10.30am)と午後(1pm 〜 5pm)に分けてテストを行い、結果の違いを見る
みたいになってます。ここでチェックした「脳機能」ってのは、
- どれだけ短期間にものごとを記憶できるか?
- 気をそらさずにどれぐらい集中を維持できるか?
- 刺激に対する反応スピードはどれぐらいか?
みたいになってます。いずれもバリバリと仕事をこなすには欠かせない能力っすね。
これでどんな傾向が確認されたかと言いますと、
- 高齢者は午前中のほうが成績がよく、若者は午後のほうが成績がいい!
だったんですよ。なんでも、高齢者は午後のほうが脳の「デフォルト・モード・ネットワーク」が活性化しやすく、おかげで集中力がそれやすくなっちゃうんだそうな。
研究チームいわく、
1日のうちどのタイミングがベストかを見計らうのは、高齢者にとっては非常に大事なことだ。高齢者のグループは、午後よりも午前の方が注意力が続き、誘惑にも気がそれにくい。
このような午前中の認知の向上は、脳の背外側前頭前野や上頭頂小葉の活性と相関があった。これらは、どちらも注意のコントロールに関わるエリアだ。
この研究は、先行データでも何度か確認されてきたように、体内の覚醒リズムに自分を合わせることの重要さを示している。時間帯を合わせたほうが、脳の注意力は持続しやすくなる。
とのこと。具体的に高齢者の脳が時間によってどう変わるかと言いますと、
- 午後の高齢者の脳は、若者に比べて注意のコントロールに関わる機能が5.4%しか働いていない
- しかし、午前中の場合は若者の41.4%になる
みたいになってます。まぁどっちにしても高齢者は若者に負けてるわけですけど、時間によって認知機能が変動する可能性があるのは覚えとくと良さそうっすね
今回のテストはMRIを使ったものなんで「この結果って体内時計が影響してるの?」みたいなところはわからんのですが、これが事実であれば、
- 若者は午後に知的作業をする!
- 歳を取ったら知的作業は午前にする!
みたいになるでしょうね。この実験には私のような40代の人間がふくまれてないんですが、そこらへんも気になるところですなぁ。