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今週半ばの小ネタ:腸内細菌と運動能力、魚で大腸癌リスク減、クルミで血圧低下

Summary

 

このブログでは、毎週末に「今週の小ネタ」って話をまとめております。要は私が「ひとつのエントリにするほどでもないけど捨てがたい!」と思ったデータを2〜3本ずつ紹介してるんですけど、どうも最近は週イチペースじゃ追いつかなくなってきたんですよね。

 

 

ふと論文フォルダを見たら、死蔵したままのファイルが大量に見つかったんで、実験的に「小ネタ」を週2ペースにしてみます。やっていくことは今までと変わらないので、皆さまは好きにお使いください。

 

腸内細菌が運動能力も支配してるぞ!みたいな話

 

まずは「腸内細菌が運動のパフォーマンスも左右している!」みたいな話(R)です。腸内細菌はメンタルを支配しているだけじゃなく、運動の成果にも関わってるんじゃないか、と。

 

 

どういう実験だったかと言うと、

 

  1. マラソンランナーの便を調べて腸内細菌をチェック
  2. 運動をしない一般人の便も同じくチェック
  3. ランナーと一般人のマラソンタイムを比べる

 

みたいになってます。その結果、

 

  • 優秀なランナーほどベイロネラ属の菌が多かった!

 

って傾向が浮かびあがったそうです。なんでもベイロネラは肝臓が乳酸を分解してプロピオンに変える働きがありまして、おかげで一般人よりも持久力がつくんだそうな。

 

 

もちろん、この実験デザインだと因果関係は話からないのでエビデンスとしてはゆるいですけど、あってもおかしくない話かなーとは思いますね。

 

 

魚で大腸癌リスクが減るぞ!という話

魚が体に良いのは常識ですが、新たに「大腸癌リスクを減らすぞ!」ってデータ(R)が出ておりました。

 

 

これは約50万人の男女を15年ほど追いかけた観察研究でして、

 

  1. 普段からどれぐらい魚を食べてます?
  2. その魚って脂肪分が多いやつですか?

 

といった質問を定期的に重ねていき、癌の発症リスクとくらべたみたい。そこで何がわかったかと言いますと、

 

  • 週に100〜200gの魚を食べる人は大腸癌リスクが7%減る
  • 食べる魚は、サーモン、マス、サバのように脂肪が豊富なものが良い

 

ってのがわかったんだそうな。あくまで観察研究ではありますが、7%はまぁまぁな数字ですし、魚のメリットが大きのは確実なんで、「おまけに大腸癌の予防にもなるかも!」ぐらいにとらえておくといいんじゃないでしょうかー。

 

 

 

クルミで血圧が下がるぞ!みたいな話

 

最後は「クルミで血圧が下がるぞ!」みたいな話(R)を。これは肥満に悩む45人の男女を対象にした調査で、

 

  • いつもの食事からとる飽和脂肪酸の5%をクルミに変えてみて!

 

って指示をした上で6週間の経過をみたそうな。すると、

 

  • 最高血圧と最低血圧が低下!
  • コレステロール値も改善!
  • 血管の硬さも改善!

 

みたいな感じで、心疾患リスクがまとめて良くなったみたい。研究チームいわく、

 

クルミにはアルファリノール酸が多く含まれており、これが血圧に良い影響を与えると思われる。

 

とのこと。このブログでもクルミのメリットは何度か取り上げてきたんで、激しく納得な結論じゃないでしょうか。


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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