今週半ばの小ネタ:体重が増えにくい食品、アメフトやラグビーとメンタル、塩と脳ダメージ
ひとつのエントリにするほどでもないけど、なんとなく興味深い論文を紹介するコーナーです。
もっとも体重が増えにくいかもな食品とは?
まずはタフツ大学などの研究(R)で、だいたい120,000人の食生活と体重の変化を追いかけた長期研究になっております。全体的に4年ごとに16〜24年ほどの追跡調査を行なっていて、もちろん因果関係はわからないものの、なかなか大規模でいいですね。
でもって、どんな食品が「体重の安定」と相関してたかというと、
- 皮なしの鶏肉
- 魚介類
- ヨーグルト
- ナッツ
だったそうで、なんとなくおなじみのラインナップが並んでますね。
では、逆に「体重の増加」と相関があった食品がなにかといいますと、
- 赤肉(牛肉とかラム肉とか)
- 加工肉
だったそうです。まぁ最近は「赤肉とか加工肉って言うほど悪くないのでは?」って議論も出てきたんで判断が難しいとこですけど、ここらへんは赤肉や加工肉の増加が加工食品の摂取量と関係してるからなのかもっすね。とはいえ、とりあえず「体重の安定」と相関してた食品が体に悪いことはないでしょうから、積極的に食べていくとよいのではないかと。
アメフトやラグビーはメンタルにいいのか?
次は10,951人の若者を14年にわたって追いかけた観察研究(R)で、「若い頃のコンタクトスポーツはメンタルにいいの?」みたいな内容になってます。具体的には、
- アメフトやラグビーを学生時代にやってた人をピックアップ
- 参加者が成人した後に、なにもスポーツをやってなかった人のメンタルと比べる
みたいな感じでして、これでどのような傾向がみられたかと言いますと、
- アメフトやラグビーをやってた人は、20〜30代に入って鬱になる確率が22%低かった
だったそうです。研究チームいわく、
一般的に、コンタクトスポーツは良くないと思われがちだ。頭部のケガが多いため、認知機能の低下やメンタルヘルスの悪化をもたらすと考えられる傾向がある。
しかし、今回の研究ではその傾向は確認されなかった。
とのこと。どうやら海外には「若い頃のコンタクトスポーツ=あんま良くない」みたいなイメージがあるみたいなんですが、実際のところメンタルについてはよい影響の方があったんだ、と。
もちろんコンタクトスポーツに怪我が多いのは確かなんで必ずしも全面的に良いとは言えんのですが、基本的に体を動かすのがメンタルに良いのは確実なんで、精神衛生にも良いのだろうなぁとは思うわけです。
塩の取りすぎで脳にダメージが?
でもって最後はまだマウス実験(R)の段階ですが、「塩の取りすぎが認知機能低下の原因になるかも?」ってな内容になっておりました。どんな実験かと言うと、
- マウスに普通より8−16倍の食塩を摂取させる
- 12週間に認知機能がどう変化するかを見る
みたいな感じでして、それで以下のような傾向が確認されたんだそうな。
- 大量の食塩が、小腸の中でインターロイキン17という炎症性のサイトカインを誘発した
- 12週間後からマウスたちの記憶が衰え、日常的なタスクができなくなった
だったそうです。アルツハイマーと違ってアミロイドβの蓄積は確認されなかったみたいなんですが、ちょっと恐ろしげな内容っすね。
ちなみに、この実験で使われた塩分をヒトに換算するとと1日12−20gでして、ちょい塩気の強いお菓子などを食べれば超えかねないレベルではあります。あくまでマウス実験なんで下手にビビる必要もないですが、とりあえず塩の取り過ぎには注意しましょうねーってことで。