つい衝動買いしてしまう!を解決する方法はこれだよーみたいな実験の話
衝動買いを抑える方法として、「この金で別のものが買えるんじゃないか……」と考えてみるって方法があります。新しいスマホが欲しくなったときに、「同じ金を出せば充電器とイヤホンがまとめて買えるな……」みたいに比較をして、衝動的な気持ちを抑えていく方法っすね。
別の使い道を考える方法が有効なのは過去の研究でもわかってるんですけど、新しい実験(R)では、「このテクニックの効果をさらに高めるやり方がわかったよー」って結論になってておもしろいです。
これは10の実験で構成された論文で、それぞれ500〜1000人ぐらいの参加者を集めた規模が大きい調査になっております。各実験のデザインはだいたい同じ感じでして、例えば2つめの実験だと、
- 研究チームが作った架空のオンラインサイトを参加者に見せ、25ドルのワイヤレスのスピーカーを買うかどうかの選択をしてもらう
- その際、スピーカーの下には「この商品を買った人はこんな商品も買ってます」という画面が表示され、同じく25ドルで買える商品が表示される
みたいになってます。Amazonなどでおなじみの「この商品をチェックした人はこんな商品もチェックしています」機能を再現して、「同じ金額で別のものが買えるなぁ……」という比較をうながすようにしたんですね。
が、ここでチームは全体を2つのグループに分けてまして、
- スピーカーと似たような商品を一緒に表示する(ノイズキャンセリングのヘッドホンとか)
- スピーカーとは全く異なる商品を一緒に表示する(ワイシャツとか)
って違いを出して比較をさせたんだそうな。具体的なサイトの表示は↓のような感じ。
「スピーカーとヘッドホン」という近い商品で比べたときと、「スピーカーとシャツ」という遠い商品で比べたときでは、どっちのほうが購入意欲に差が出るのかを調べたわけっすね。
でもって、参加者に「最初に見たスピーカーを買いたいですか?」ってのを9点満点で採点してもらったら、
- まったく異なる商品と比べたほうが、約10%ほど購入意欲が下がった
だったそうです。チームは他にもカラープリンター、映画のチケット、マッサージといった商品で似たような実験をしてますが、いずれも結果は同じ。まったく違うジャンルの商品と比べた方が、購入意欲が10〜20%ぐらいの範囲で低下したんだそうな。商品を比べようとすると、たいていはつい同じような商品と比較しがちなんで、この結果はちょっとおもしろいっすね。
では、なんでこのような現象が起きたのかってポイントについては、
- 人間が金を払うかどうかは、その商品の目的に左右されるからだ!
と推測されております。どういうことかと言うと、
- スピーカーとヘッドホンを比べると、どちらも「手軽に良い音を楽しみたい」って目的は同じなので、あとは小さな機能の比較になる
- スピーカーとワイシャツを比べると、「手軽に良い音を楽しみたい」って目的に、「身なりをきちんと整えたい」って目的が加わり、頭のなかで大きな比較をする必要が出てくる
みたいな違いです。まったく別の種類の製品について考えると、大きな目的が競合しあうようになり、「これはすぐには決定できないぞ!」って気分になるわけです。
研究チームいわく「別ジャンルの商品に意識を向けると、もともと買おうと思っていたものをに金を出す気がなくなってしまうことがわかった」とのこと。衝動買いにお困りの方は、ちょっと試してみちゃいかがでしょうか。。