目標の達成率がガッツリと高まる技法「コピペ・プロンプト」とは?
「イフゼン・プランニング」だとか「WOOP」だとか、このブログでは「目標達成の技術」をいろいろ紹介してるわけです。
が、「ヤバい集中力」にも書いたとおり、そもそも人間は現状を変えるのが苦手な生き物。あらゆるテクニックを使いつつ、自分をダマしダマし改善していくしかないのが現状であります。なので、「目標達成の技術」については、使えるツールをいくつも持っておくに越したことはないでしょう。
ってことで新しく出た研究(R)は、「目標達成の技術」に新たな視点を提供してくれてて有用でした。主筆は「やり抜く力 GRIT(グリット)」で有名なアンジェラ・ダックワース博士です。
実験は1,028人の男女を対象に行われたもので、まずは全員に「最後の1週間にどれぐらい運動しましたか?」と尋ねたうえで全体を3つのグループに分けてます。
- コピペ・プロンプト
- 擬似プロンプト
- 何もしない
「コピペ・プロンプト」は研究チームが開発した目標達成テクニックで、参加者たちは以下のように指示されたんだそうな。
この研究では、あなたがもっと運動の量を増やすための効果的なハックや戦略について学ぶ手助けをします。これからの2日間のあいだ、あなたの知人や友人たちがどうやって運動をしているかに注目してみてください。彼らは、どうやってエクササイズに取り組むモチベーションをアップさせているのでしょうか? もし必要であれば、その知人や友人がどんなモチベーションアップの方法を使っているのかを尋ねても構いません。
要するに、「新しい習慣を身につけるために、自分よりうまくやってる友人の考え方を借りよう!」って考え方を伝えたわけですね。
いっぽうで「擬似プロンプト」グループは、以下のような指示だけを伝えられたそうな。
この研究では、あなたがもっと運動の量を増やすための効果的なハックや戦略について、これからの2日間を使って学ぶ手助けをします。
こちらのグループは、具体的な手法については何も伝えられなかったわけっすね。
でもって、介入から1週間の違いをチェックしたところ、
- コピペ・プロンプトを実践した参加者は、それ以外のグループよりも運動の時間がガッツリ増えた!
だったそうな。友人が使ってる方法をマネすると、目標の達成率が高まるのではないか、と。
研究チームいわく、
コピペ・プロンプトの利点は、採用した戦略の有用性、それを使うことへのコミットメント、努力の総量、および周囲の人々との社会的交流の頻度によって媒介される。
と申しておられます。ちょい難しい表現ですけど、例えば、相談した相手が「後方プランニングがいいよー」と教えてくれた場合は、
- 教えてくれたテクニック自体に効果がある
- 「友人が教えてくれたんだからやらなければ!」って気分になってモチベーションが上がる
- 「わざわざ友達に聞いたんだから使おう!」って気分になってモチベーションが上がる
- その後も友人に「教えてくれたテクニック使ったよ!」みたいな交流が進んで、やっぱりモチベーションが上がる
といったいろんな要因が合わさって、たんに一個のテクニックを使うよりも効果が高まるんだ!って話です。「ヤバい集中力」にも書いたとおり、「他人の存在」ってのはモチベーションアップにかなりの影響を持つんで、「コピペ・プロンプト」が効果的なのもよくわかりますね。
コピペ・プロンプトは、簡単に使うことができ、コストもほとんどかからず、健康的な食事から学問の成功に至るまで、あらゆる目標の達成率を上げる可能性を秘めており、幅広い応用が可能だろう。
ってことで、なんか達成したいことがあるのなら、自分よりうまく目標をこなしている人を探して「どんなやり方をしてるの?」って尋ねてみるといいかもしれません。