やる気をガツンと高めるには「後方プランニング」だ!みたいな話
計画の立て方でモチベーションが変わる
「やる気を出したきゃ計画は逆向きに立てろ!」って論文(1)がおもしろかったんでメモ。
これはアイオワ大学の実験で、研究者の問題意識はこんな感じ。
広範なリサーチにより、すでにプランニングの有効性はあきらかにされている。ただし、計画の立て方により目標の達成度がどう変わるかは、まだ研究が進んでいない。
事前に細かい計画を立てたほうがモチベーションが上がりやすいのは、これまで何度も確認されてきた事実。ただし「計画はどういうふうに立てるべきなの?」って問題については知見がありませんで、そのへんのことを調べてくれたわけですね。
前方プランニングと後方プランニングの違い
研究は学生を対象にしてまして、全部で5つの実験が行われてますが、だいたいのデザインは同じでして、
- 前方プランニング
- 後方プランニング
の2パターンで計画を立ててもらっただけ。両者にどんな違いがあるかというと、
- 前方プランニング :目標に向かって時系列的に計画を立てる
- 後方プランニング:目標から現在に向かって計画を立てる
って感じです。後方プランニングの例としては、
- まずは「ダイエットを半年で成功させる!」って目標を立てる
- ダイエット成功から1カ月前の目標体重を設定
- ダイエット成功から3カ月前の目標体重を設定
ってな具合に、最終地点から現在にさかのぼって計画してくわけっすね。「7つの習慣」なんかだと、大きな人生の目標から小さいゴールに分解していく方法が推奨されますけど、この手法をもうちょい手軽にしたイメージですかね。いわゆる逆算思考と言いますか。
難しい目標ほど後方プランニングが効く
今回の実験では、学校の宿題や期末テスト、試験の理解力、仕事の面接といった場面で、プランニングの効果をチェック。そこからどんな違いが出たかというと、
- 簡単な目標(達成までのステップが2〜3ぐらい)の場合は、どちらのプランニングを使っても差は出ない
- 複雑な目標(期末試験の準備とか)の場合は、後方プランニングのほうがモチベーションが上がり、プレッシャーは減り、実際のゴール達成率も激増した
だったそうな。難しい作業になればなるほど、後方プランニングのほうが有利になっていくんだ、と。
ちなみに、この実験では、
- 研究者が決めた後方プランニングに従ってもらう
- 参加者が自分で決めた後方プランニングを使う
って2パターンの違いもチェックしてるんですけど、どちらでも同じぐらいゴール達成率は向上したとのこと。
まとめ
研究者いわく、
計画の立て方をシンプルに変えるだけでも、その成果には大きな違いが生まれる。
とのこと。後方プランニングが効く理由には諸説あるんですけど、この論文では、「さかのぼって計画していくせいでゴールに具体性が生まれてやる気が出るんじゃない?」って説が提唱されております。逆に前方プランニングだと、頭の中でゴールまでの障害のほうが強調されちゃって、モチベーションの低下につながるのではないか?って話です。
いずれにせよ、目標の達成度をあげたいときは「現在に向かってプランニングする!」と思っとくといい感じかと思われます。どうぞよしなにー。