脳が健康になる住み家と脳が不健康になる住み家の違いとは?
自然で脳が健康になる?
「自然はいい!」って話をさんざん書いている当ブログ。とにかく自然とふれ合うとストレスが消えるわけですが、新しい論文(1)では、さらに「自然で脳が健康に!」って結論が出ておりました。
これはマックス・プランク研究所の実験で、BASE-IIって健康データを使ったもの。BASE-IIってのはドイツ人を対象に行われている長期リサーチで、健康状態やメンタルなどを記録し続けている貴重なデータであります。
脳の状態と居住エリアをくらべた
ここで扱われてるのは男女341人の記録で、年齢は61〜82才が対象。全員の脳をMRIで調べて扁桃体(原始的な感情をコントロールするエリア)の状態をチェックしたうえで、みんなが住んでるエリアとくらべたんだそうな。
居住区は4つに分類されていて、
- 都市部
- 緑の多い都市
- 森
- 荒れ地
のなかで、どこに住んでいる人の脳がもっとも健康的かをチェックしたみたい。
周囲の緑が多くなるほど脳が健康
それで何がわかったかというと、
- 自分の家の周囲半径1キロが森だった場合、全体的な扁桃体の完全性が高くなる!
みたいなことです。なんか難しい言い回しですけど、要は自然が多い場所で暮らすほど脳が健康的になり、ネガティブな感情にふりまわされにくくなる(かも)って話です。
逆に都市部の住人につきましては、
神経科学のエビデンスは、都市部での暮らしが扁桃体の活動を増やし、ストレスを上昇させることを示唆している。(中略)脳の構造について言えば、都市部で育った者ほど、脳の灰白質の量が減るという相関も出ている。
ってことで、かなりイヤな議論がなされておりました。都市で育つと脳の感情センサーがずーっと過敏に反応し続けて、そのせいで脳が萎縮してっちゃうらしい。
都市部のメンタル悪化率は56%も高い
さらに研究者いわく、
脳の可塑性に関する研究により、私たちの脳は、周囲の研究によって機能と構造が変化することがわかっている。(中略)直感的に考えると、都市部に住む者は、田舎に住む者よりも複雑で新奇な体験が多いだろう。刺激が多いぶんだけ、ポジティブな影響が出そうに思ってしまいがちだ。
しかし、その直感とは裏腹に今回の研究は、都市部での暮らしが慢性的なストレスによるメンタルの悪化をもたらすことをあきらかにした。この結果は、メンタルヘルスの問題が、郊外よりも都市部のほうに起きやすいという疫学調査と呼応する。
ある研究によれば、都市部での統合失調症や不安障害の発症率は、都市化が進んでいないエリアにくらべて56%も多い。
ってことで、徹底的に都市住まいに不安を抱かせる内容になっております。ちなみに、都市から田舎に移り住むだけでもいいようで、
また、イギリスで行われた緯度研究によれば、都市部から稲株に引っ越した被験者は、引っ越し前にくらべてメンタルの状態が有意に改善していた。
とのこと。うーん、ますます引っ越したくなってきた……。