「赤色光治療」が美肌や腰痛、肩こりに効く!はどこまで信じていいのか問題
「赤色光治療どうですか?」みたいなご質問をいただいたので、ざっとまとめておきまーす。
赤色光治療ってのは名前のとおり赤い光を使った治療法で、660nm〜850nmぐらいの光を使います。赤い光がミトコンドリアを刺激して、「シワが消える!」とか「しつこい痛みが消える!」とかいろんな効果が得られるというんですね。
個人でも使える器具もいくつか売られてまして、↓みたいに全身に赤い光を浴びせる形で使ったりします。怪しさバツグンですね(笑
で、この治療法についてはそこそこの研究が行われてまして、「もしかしたら見込みがあるかも?」ぐらいのレベルで証拠があるのが、
- 肌のコラーゲンを増やして、しわを減少させるかも?(R)
- 傷の治りを早くしてくれるかも?(R)
- 癌治療の副作用のいくつかを軽減する(口腔粘膜炎とか)(R)
- 紫外線で老化した肌を修復してくれるかも?(R)
- アキレス腱の痛みや炎症がやわらぐかも?(R)
ぐらいの話っすね。全体的に「かも?」が多いですけど、まだ言い切れるほどのデータがあるわけじゃないもんですから。このなかだともっとも意味がありそうなのは「癌治療の副作用のいくつかを軽減」で、海外だといくつかの保険会社が使用をカバーしております。
でもって、その他の効能となるとほとんど研究が進んでないのが現状でして、
- 体重が減る
- メンタルが改善する
- 睡眠が改善する
- 免疫系が改善する
- 腰痛や肩こりに効く
- ニキビが治る
といったあたりはまだまだ望み薄ってとこじゃないでしょうか。いちおうどの説にもヒトを対象にしたテストはあったりするんですけど、どれも参加者が少なかったり、デザインがいまいちだなーみたいなのが多いもので。私も赤色治療が腰痛に効くんならぜひ使ってみたいとこなんですけど、いまのとこでは買う気にならないかなーってのが正直なところですね。
ちなみに、アメリカのCMS(厚生省に属する政府組織)の見解(R)などを見てみますと、
- もしかしたら傷や痛みにある程度の効果はあるのかもしれないけど、その他の治療法にくらべて優れてるかどうかは証拠が不十分すぎてなんとも言えないよ!
みたいな感じだったりします。確かに赤色治療の器具ってわりと高いですし、それならもっと安価な方法を選んだほうが良いのかもなーって気はしますね。
そんなわけで、以上の話をまとめますと、
- まだまだ証拠が足りないのでどう言っていいかわからん
- いちおう慢性痛とか肌治療に効く可能性もなくはないけど、もっと安価な標準治療を試すほうがメリットは大きそう
といったところです。個人的には「もしかしたら美容器具として使えるのかも?」ぐらいには思ってますけど、いまのところ積極的におすすめする気にはならんかなーって印象であります。まぁ安全性は高いと思いますので、もし試してみたいという方がいれば止めはしませんが。