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筋トレに役立ちそうなデータいろいろ:クルクミンと筋肉痛、ビタミンDで筋肉が増える、カフェインの運動パフォーマスアップ効果

 

「過去に類似の話を紹介したけど、さらに追試で効果が確認されたので無視するのももったいないケース」をまとめて取り上げてみる」シリーズです。今回は「筋トレに役立ちそうなデータ」を4つほど、すごーくざっくりとまとめてお送りしまーす。

 

クルクミンで筋肉痛が楽に?

毎度おなじみクルクミンに、「筋肉痛のつらさが減る!」って効果が報告されておりました(R)。もともとクルクミンの抗炎症作用は有名ですけど、そのおかげで筋肉痛もやわらぐのではないか、と。

 

 

このランダム化比較試験では、18~39歳の男性19人に、500mgのクルクミンカプセルを1日3粒、またはプラセボのいずれかを28日ほど摂取してもらって様子を見たそうな。

 

 

筋肉痛への影響については、225回の片足立ち座りの繰り返し(1分間に15回)をやってもらい、筋肉の痛み、酸化ストレス、炎症、血液マーカーを調べたとのこと。そこでどんな結果が出たかと言いますと、

 

  • クルクミンを飲んだグループはクレアチンキナーゼのレベルが低かった(つまり、筋肉のダメージが少なかった)
  • クルクミンは、筋肉の痛みを減少させたが、炎症または酸化ストレスマーカーには影響しなかった

 

ということで、それなりに良い影響はあるのかなーって感じですね。そこまで大きく筋肉の痛みに効くわけでもないので、使うとしても気休め程度になっちゃうかもしれませんが……。

 

 

ビタミンDで筋肉が増える?

ビタミンDで脂肪が減るのでは?みたいなデータ(R)が出ておりました。観察研究ではビタミンDが多い人ほど筋力増強や脂肪減少している傾向があったんで、体型の維持に効くのではないか?って説があったんですよ。

 

 

ということで、このランダム化比較試験では、20〜65歳の参加者95人に420IUのビタミンDまたはプラセボのサプリを毎日1年間にわたって飲み続けてもらったんだそうな。なかなかの長期研究っすね。

 

 

で、ベースライン時と1年後に、体格測定や運動のパフォーマンスチェックなどをおこなったところ、

 

  • プラセボと比較して、ビタミンDを補給したグループは、筋肉、パラトルモンが1年後に増加していた。その他の変化はなかった

 

って違いが見られたらしい。1日420IUというと結構な低用量だと思いますけど、それでも差が見られるもんなんですねぇ。まーそこまで劇的な変化でもないんですけど、ビタミンDが大事なのは確実なんで、気になる方は飲んでみちゃいかがかと。

 

 

カフェインのパフォーマンス改善効果は、カフェイン好きでも得られる?

カフェインで運動のパフォーマンスが上がるのは有名ですけど、「いつもカフェインを使ってて体が慣れてる人でも意味があるの?」って問題はまだ謎だったわけです。そこで新しい研究(R)では、ランダム化二重盲検クロスオーバー試験で、この問題に取り組んでくれておりました。

 

 

参加者は24人の筋トレ好き男性で、体重1kgあたり3mgのカフェインかプラセボカプセルを飲んでもらったうえで、ベンチプレスの速度、パワー、持久力などをチェックしたらしい。その際に普段のカフェイン摂取量をベースに、

 

  1. 低カフェイングループ(165mg/日未満)
  2. 中〜高カフェイングループ(165mg/日以上)

 

に分類して、パフォーマンスの違いをチェックしたんだそうな。その結果、

 

  • 普段どれぐらいカフェインをとっているかにかかわらず、カフェインはすべてのパフォーマンス指標を改善した!

 

って感じだったそうで、どうやら普段からカフェインをとってる人でも運動のパフォーマンス改善には十分な意味があるらしい。やっぱカフェインはすばらしいっすねぇ……。

 

 

カフェインの「筋肉痛」改善効果は男女で違う?

もうひとつカフェインのデータ(R)で、「カフェインによる筋肉痛の改善効果には男女差があるのでは?」って話になっておりました。もともとカフェインが筋肉痛に効くのは有名でしたけど、これは男性と女性で作用が違うんじゃないか、と。

 

 

これは20名のエリート大学選手(男性10名、女性10名)を対象にしたクロスオーバー試験で、

 

  1. 最初のセッションでは、血液バイオマーカー、筋肉痛レベル、筋肉のパフォーマンスに関するベースラインデータの収集

  2. 2日後の2回目のセッションでは、参加者に30分走ってもらって筋肉にダメージを与える

  3. 3回目のセッションでは、参加者の血液バイオマーカー、筋力パフォーマンス、筋肉痛レベルを再度測定。その後、カフェイン(体重1kgあたり6mg)またはプラセボを摂取して、1時間後に再び筋肉のパフォーマンスと血液バイオマーカーを測定

  4. 4回目のセッションは3回目とほぼ同じだったが、カフェインを摂取した参加者はプラセボを摂取し、プラセボを摂取した参加者はカフェインを摂取した

 

って感じで4つのセッションでカフェインが筋肉痛におよぼす効果をチェックしております。そこでどんな結果が出たかと言いますと、

 

  • 男女ともに、カフェインは筋肉ダメージで損なわれた最大随意収縮を回復させた
  • カフェインによる筋肉痛の減少には男女差があった(男性21.5%、女性4.6%)
  • 血液中のカリウム濃度の低下にも男女差があった(男性16.9%、女性1.3%)

 

だったそうで、カフェインのメリットは男性のほうが大きい可能性があるみたいっすね。まぁ女性でも運動ダメージによるパフォーマンス低下は防げてたんで、使う意味はあると思いますが。


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。