アジアの食事でニキビを引き起こしやすい食品、ニキビの予防になる食品はどれだ?という観察研究の話
悪い食事がニキビを引き起こす!ってのはよく聞く話。このブログでも「ニキビを悪化させちゃうかもしれない5つのNG食品」なんてのを紹介してまして、体に炎症を起こすものは気をつけましょうねーなんて話をしております。
そこで新たに出た研究(R)でも、新たに「ニキビになりやすい食品ってどんな感じなの?」ってのを調べてくれてていい感じでした。まずは研究チームの問題意識を申し上げますと、
2002年の研究では、環境要因や欧米化した食生活がニキビと関連している可能性を提唱している。この調査では、パプアニューギニアのキタバン島民1,200人とパラグアイのアチェ族の狩猟採集民115人には、ニキビの有病率が低かったことが報告されている。この地域の人たちの食事は、低脂肪で低血糖負荷(GL)の植物性食品がメインだ。
いっぽうで欧米の食事は精製された炭水化物、油、乳製品が多く、食物繊維が不足しており、不飽和脂肪酸に対する飽和脂肪酸の比率が高い。
とのこと。昔ながらの生活をしている狩猟採集民たちにはほとんどニキビが見られないのは、やっぱり伝統的な食生活のせいではないのか、と。それだけがすべてじゃないでしょうが、食事の問題は大きいでしょうからねぇ。
ってことで、タイの成人2,467人(18~44歳、男性681人、女性1,795人)を対象に、ニキビの重症度と食事との関連を調査してくれております。この手の研究はいままで西洋の食事をメインにしたものが多かったんで、タイみたいに米をガンガン食べて乳製品はあまり摂らないタイプの調査は貴重だったりするんですよね。その点で日本人にとっても参考になるでしょうね。
で、これがどんな調査だったかと言いますと、
- 参加者にウェブ上のアンケートにアクセスしてもらう
- ニキビを自己評価してもらう(Leeds revised acne grading systemを使用)
- 半定量的な食物摂取の頻度調査票を使って過去3カ月間の食生活について教えてもらう
- 最後に、年齢、第一度近親者のニキビ歴、運動、睡眠などの要素をコントロールして相関を見る
みたいになります。あくまでスナップショット的な研究だし、ニキビに関する情報を求めている女性がメインなので、選択バイアスがかかっている可能性も高めだったりするんですが、全体的には貴重なデータだと申せましょう。
というわけで、分析の結果はこんな感じになりました。
- 参加者のうち51.66%が軽度のニキビがあると回答し、18.34%がニキビがないと回答した。そのうえで、以下の食品をよく食べる人は、以下の食品を食べない人よりもニキビの重症度と関係があった
- 1週間に100g以上のチョコレートを摂取すると、ニキビの重症度が悪化する確率が29%増加する
- 週に3回以上の油っこい食べ物や揚げ物の摂取は、ニキビの重症度が悪化する確率が84%増加する
- 白米を毎日いくらかでも食べると、ニキビの重症度が悪化する確率が78~80%増加する
- 週に3回以上お茶を飲むと、ニキビの重症度が悪化する確率が26%低下する
- 紅茶(ミルクと砂糖なし)を週に3杯以上飲むと、ニキビの重症度が悪化する確率が39%低下する
- 玄米、乳製品、お菓子やスナック、甘い飲み物は、ニキビの重症度と関連していなかった
「少しの白米でも毎日食べるとニキビが悪化するかも?」ってあたりはちょっとビックリっすね。逆に乳製品&お菓子とニキビの関連性が認められなかったのも驚きましたが、これについては参加者たちの摂取量が比較的少なかったからかもしれないですね(牛乳を週にグラス4杯飲んでるぐらい)。
まぁくり返しになりますが、あくまでさほど精度が高くない研究なので、この結果をもって「白米やめる!」とか「お茶をがぶ飲みする!」って考えにならないようにご注意ください。ただ、チョコや揚げ物のダメージやお茶の効能については過去の研究とも整合性は取れてますんで、そこは気をつけたほうが良いでしょうな。