ブロッコリーの健康成分は熱で死ぬ!それではどうすれば良いのか問題
ブロッコリーをいかに食うか?って話をしましょう。このブログでもブロッコリーは最強食材のひとつとしてよく取り上げてまして、個人的にも積極的に取り入れてたりします(たぶん1週間に4日は食べてる)。
で、ブロッコリーが持ち上げられる理由のひとつがスルフォラファンであります。まぁ、まだスルフォラファンがどこまで体に良いかってのは明言しづらいとこがあるんですが、疫学研究とか生体外試験では「癌の発生率が低くなるのでは?」と言われてまして、やはり積極的に食べていきたい感じなんですよ。
ただ、ここでブロッコリーが問題になるのが、
- 熱に弱い!
って問題です。というのも、そもそもブロッコリー自体にスルフォラファンが含まれているわけではなくて、
- ブロッコリーには、スルフォラファンの材料になるグルコラファニンがふくまれている
- グルコラファニンは、ブロッコリーにも含まれるミロシナーゼという酵素によってスルフォラファンになる
って仕組みになってるんですよ。ブロッコリーがふくむ2つの化学物質が接触して、はじめてスルフォラファンが放出されるわけですな。
しかし、残念ながらミロシナーゼは熱で働きが下がるんで、過剰な調理はスルフォラファンの放出量を減らしちゃう傾向があるんですな。というわけで、このブログでは過去に「ブロッコリーを刻んで放置する」ってやり方を推奨したことがありました。刻んで放置することで2つの化学物質が混ざり、スルフォラファンの発生につながるんですよね。まぁ私の場合は、細かく刻むのがめんどうなので、ブロッコリーは生でガリガリ食べちゃって、口の中で化学物質を合成させておりますが。
さて、前置きが長くなりましたが、イリノイ州立大学などのチーム(R)が、
- ブロッコリーを熱してもスルフォラファンを簡単に残す方法があるぞ!
というデータを公開してくれていて、これがためになります。この研究は、新鮮なブロッコリースプラウトをブロッコリーパウダーと一緒に参加者に食べてもらい、その後に血液検査を行ったものです。すると、この2つの食品を一緒に食べた場合は、どちらか一方だけを食べた場合よりもはるかに高い値を示したというんですな。
つまり、この試験からなにがわかったかといいますと、研究チームいわく、
この研究は、ブロッコリーが過度に加熱されても、ミロシナーゼを含む別の食品と組み合わせることで、その効果を高めることができることを示している。
とのこと。要するに、ブロッコリーを加熱してミロシナーゼが破壊されても、別の野菜やスパイスであとからミロシナーゼを補ってあげればいいんだよーってことですね。
具体的に、ミロシナーゼを補える商品としては、
- ブロッコリースプラウト
- マスタード
- 西洋わさび
- わさび
- 大根
- キャベツ
- ルッコラ
- クレソン
- 芽キャベツ
ってのがありまして、ブロッコリーを調理したあとでも、これらの食品をスパイスのように使えば、スルフォラファンのメリットを得ることができるわけですね。
さらに研究チームいわく、
ミロシナーゼが存在すれば、スルフォラファンは、消化器官の最初の部分で放出される。そこでは吸収が良いので、30分で生物活性が見られるのです。
とのこと。まぁ私は料理嫌いなので今後も生食を続けるような気がしますけど、「加熱しないとブロッコリーなんて食べられないよ!」って方は、お試しいただくといいんじゃないでしょうか。