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ノルディックウォーキング、機能的な身体を作るためにはHIITよりも上なんじゃないか説



肉体をバージョンアップする運動といえば、このブログではHIITをよく取り上げております。心肺機能を高めて、疲れにくい肉体を手に入れるには、負荷が高めな運動をするのが一番なもんですから。

 

 

ただ、新しいデータ(R)は、またちょっと違う視点を提供してくれてまして、まず結論から申し上げますと、

 

  • ノルディックウォーキング、HIITより身体機能の改善にいいかもよ!

 

みたいになります。ノルディックウォーキングってのは2本のポールを使って行うウォーキングで、フィンランド発祥の低負荷全身運動っすね。私はやってみたことはなく、ほぼ名前しか聞いたことがないレベル。 完全にノーマークだったなぁ。

 

 

この研究は、冠動脈疾患の患者さん130名を 対象にしたもので、 全体を3つのグループに分けてます。

 

  1. 高強度インターバルトレーニング
  2. 中強度から強度の連続トレーニング
  3. ノルディックウォーキング

 

実験期間は12週間で、その後で皆の日常的な動作、QOL、うつ症状を チェックしたところ、結果は以下のようになりました。

 

  • すべての運動プログラムがメンタルとQOL(人生の質)を改善した
  • ただし、機能的な能力の改善は、高強度インターバルトレーニング(13%増)および中・強度の連続トレーニング(12%増)と比較して、ノルディックウォーキング(19%増)で最も高かった。

 

と言うことで、メンタルや生活の満足度はみんながあったんだけど、日常生活を存分に送るための能力については、ノルディックウォーキングか最高だったんだ、と。 ちなみに、ここで行われたノルディックウォーキングは、屋内トラックでの1日60分だったそうです。

 

 

ノルディックウォーキングの成績が良かった理由はいろいろ考えられるでしょうが、

 

  • そもそも、ノルディックウォーキングってのは、正しく行えば80~90%の筋肉を鍛えられると言われており。三角筋、大胸筋、上腹筋、前腕屈筋、肩甲下筋、上腕三頭筋、外腹斜筋などの 幅広い筋肉を発達させることができる。 そのため、他の運動よりもバランスよく鍛えられたのかもしれない。

  • また、 過去の研究では、これらの筋肉を追加で使用することで、通常のウォーキングと比較して消費カロリーが20%増加することも 明らかにされている。そのおかげで運動の効果がより高くなるのかもしれない。
  • ポールを使ってバランスをとりながら行う運動なので、他の運動に比べて身体の協調性やバランスを取るのが上手くなり、これが日常生活の改善をもたらすのかもしれない。ポールを使って歩くことで、スピードや姿勢のコントロールが向上し、歩幅が大きくなった可能性もある。

 

といったあたりが推測されておりました。こうしてみると、ノルディックウォーキングってのは、負荷が低いとは言え、 全身に適度な刺激を与えてくれる良いエクササイズなのかもしれませんね。

 

 

まー、個人的な雑感としては、 別にHIITとノルディックウォーキングを組み合わせても 全く問題はなさそうなので、「ハイ・インテンシティ・ノルディックウォーキング」みたいにすれば、さらにメリットを得られるかも?とか思ったりもしました。事実、このタイプの運動についても研究チームが追試をしてくれるようなので、 今後に期待したいですね。

 

 

ちなみに、研究チームいわく、

 

おそらく、この研究から得られる最大の収穫は、誰もが運動から恩恵を受けることができるということだ。健康のための魔法の薬はないが、運動は複数の健康状態を同時にターゲットにする薬だ。

 

ってことでして、 ノルディックウォーキング以外でも全然いいよーって視点が強調されておりました。しかし、こう言う結果を見ると、 ノルディックウォーキングが気になってきますねぇ。


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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