最強エクササイズ「HIIT」の効果を高めるベストな休憩とは?
運動したら回復が大事!ってのは当たり前で、このブログでもいろんなリカバリー方法法を提案してきたわけです。たとえば、
といったあたりが有名でしょう。個人的には、アクティ・ブリカバリーをしつつマッサージなどを組み合わせるのが良いかと思いますが、いずれにせよ、まともに休憩を取らないと、エクササイズの効果が得られないどころか、たんに人体にダメージを与えて終わるだけになりかねないので注意したいですね。
でもって、新たにチェックした研究(R)も「効果的な回復法」の話で、どんなテーマなのかをざっくりまとめると、
- ハードな運動で休憩する際に最適な姿勢とは?
という感じになります。たとえば、HIITのように負荷が高い運動をする時に、どのような姿勢を取ると、体が回復しやすくなるのか?といった問題を検証してくれたわけですね。HIITの休憩中の姿勢まで考えたことがある人は少ないでしょうけど、これが意外なほど大事だったりするんですよ。
これはワシントン大学などのチームが発表した研究で、女性のサッカー選手20名(平均20.3歳、BMI22.4)を集めて、みんなに以下のようなトレーニングを指示しました。
- ランニングマシンでHIITを行う
- HIITのパターンは、4分のダッシュと3分の休憩を3セットくり返すというもの
- HIITの強度は、最大心拍数(220-年齢)の90〜95%
というわけで、なかなかハードな設定のエクササイズになってますね。さらに、このときに休憩のパターンを変えて、回復中に2種類のポーズを取るように指示したんだそうな。
どのようなポーズかと言いますと、以下の写真をご覧ください。
ということで、ざっくり言えば、休憩の際に胸部を開くか曲げるかによって、回復のレベルが違うのかどうかを確かめたわけです。実験では、休憩時の心拍数や呼吸のCO2などで参加者の回復度を測定しまして、結果はこんな感じになりました。
- 頭の後ろで手を組むよりも、ヒザに手をついて休んだ方が心拍数の回復が早かった(53 ± 10.9 vs 31 ± 11.3 bpm)
- 呼気中の二酸化炭素量も、ヒザに手をついて休んだ方が心拍数の回復が早かった(1.1 ± 0.2 vs 1.0 ± 0.2 L·min)
要するに、HIITの疲れから早く立ち直りたければ、休憩時にはヒザに手をついて休んだほうが良いってことになりますね。ヒザに手を置いて休むと、いかにも「私は疲れてます!」って感じでちょっとかっこよくはないですが、実用性を考えればこちらの方がいいんでしょうな。
この姿勢の方が回復しやすい理由について、研究チームはこう説明しています。
ヒザに手をつく姿勢を取ると、胸部が曲がる。これによって『横隔膜と胸郭の関係性(ZOA』が改善され、呼吸時に横隔膜の動きが最大効率化される。
「ZOAが改善される」ってのは、呼吸の時にしっかりとお腹が膨らんだり縮んだりする状態を意味します。一般的な運動であれば、回復期にウォーキングなどで刺激を続けたほうがいいと言われますが、HIITぐらい高負荷なエクササイズの場合は、手をヒザについて前かがみになったほうが、実は効率よく呼吸ができるんだよーって話ですね。
というわけで、定期的にHIITを実践されているような方は、休憩時には前かがみの姿勢で休むことを意識し、思いっきり呼吸をするよう意識してみると、エクササイズの効果が高まっていいかもしれません。どうぞよしなに。