『自分の脳は他の人よりも若いのか?』をチェックする5つの質問
「老けない脳(The Age-Proof Brain)」って本をチビチビ読んでおります。この本は、当ブログでもおなじみスーパーエイジャーについて書いたもので、「いかに脳の老化を防ぐか?」がテーマですね。
スーパーエイジャーってのは、80歳以上でありながら、数十歳若い人たちと同じ認知機能をもっているご老人たちのことで、本書によると、
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2021年に発表された研究では、100歳以上のスーパーエイジャー330人を18カ月にわたって追跡調査したところ、記憶や認知能力のほとんどの領域で、低下が見られなかった。
って結果だったらしい。「18ヶ月」って調査期間は短いように感じるかもですが、通常、100歳を超えた人の2年間は75歳の人の25年間に相当すると言われてまして、1年半のあいだに認知の低下が見られなかったのはすごいことなんですよ。
こうなると、「スーパーエイジャーになるにはどうすればいいの?」ってのが気になるでしょうが、本書の考え方だと、
- スーパーエイジャーになるには、もちろん遺伝子も重要な役割を果たすが、これまでの研究によれば、アルツハイマーのリスクを高める遺伝子を16.8%の人が持っていたが、発症はしなかった。つまり、遺伝子よりもライフスタイルのほうが重要だと思われる。
- もっとも重要なのは、なんだかんだで「歳を取っても新しいことをする」に尽きる。新しいことをしないと、私たちの脳はどんどんと衰えていくので、新しい情報やスキルを学ぶことが、脳を若々しく保つためには欠かせない。
って感じだそうです。著者いわく、
あなたの記憶は、脳細胞間のつながりの中に収められている。脳は銀行口座のようなもので、自分の脳内への預金を増やせば増やすほど、引き出しによる純資産への影響は少なくなる。
私たちは、新しい物事を学ぶことによって新たなつながりを作り、脳内の預金を増やすことができる。そうしないと、人間の脳は、年齢を重ねるとともにつながりの一部が自然に失われていき、残高はどんどん減っていく。
スペイン語には、「毎日1つずつ新しいことを学びなさい」ということわざがある。このシンプルなアドバイスは、脳の健康を保つための最初のルールとして最適だ。
とのことで、とにかく新しい知識を学び、新たな体験をしようぜ!って話になっておりました。この見解は、このブログで2017年に紹介したものと、かなり近いところがありまして、やっぱこれがゴールデン・ルールなんだろうなーという印象ですねぇ。
まー、いまのところ、私たちがすぐに自分の脳年齢を把握するのは難しいんですが、ありがたいことに、筆者は「自分の脳年齢を知りたければ、いくつかの質問を自分に投げかけてみるといいよー」と提案してくれてます。具体的な質問は、以下の5つであります。
- 実行機能=同年代と比べて、1日のあいだに、どれぐらいしっかりと計画を立てて、その計画どおりに行動できているか?
- バランスと協調性=同年代と比べて、どれぐらいうまく身体を動かすことができるか?(投げられたものをキャッチしたりとか) 不安定な場所でも身体のバランスを保つのがうまいか?
- 学習・想起能力=同年代と比べて、重要な情報を覚えるのがどれぐらいうまいか?
- 動作=同年代と比べて、どのくらいの速さで歩くことができるか?
- アイデンティティ=自分の実年齢は何歳だと感じるか? 実際の年齢よりも若く感じるか? それとも老けて感じられるか? 同年代よりも若いと思うか?
ってことで、上記の質問にすべて「同年代よりも上だ!」と思えれば、あなたの脳年齢は普通より若いと言えるでしょう。30代まではそこまで差が出ないような気もしますが、40オーバーあたりから、そこそこの違いが出てくるんじゃないでしょうか(私の周りではそんな印象)。
もちろん、これらの質問は、脳スキャンや神経科医の包括的な評価を上回るものではないものの、自分の脳年齢をなんとなく推測する一助としては使えるんじゃないでしょうか。お試しあれー。