太陽の光を浴びよう!「パレオダイエットってなに?2015年版 #7」
「パレオダイエットってなに?」シリーズの7回目。今回は「太陽の光を浴びよう!」って話です。
ヒトの体は陽の光がないと上手く働かない
いまは「紫外線は敵!徹底的にブロックすべし!」みたいな主張が強くて、それはそれで間違いではないものの、陽の光を浴びなさすぎればやっぱりデカい問題が出てきちゃう。ご存じのように、1日に必要なビタミンDの80%は太陽の光によって作られてまして、こいつが足りないと、
- ガンの発症率が上がる
- 高血圧になる
- 心疾患の死亡率が上がる
- 脳の機能がおとろえる
- 肥満になる
- 骨がもろくなる
- アルツハイマーのリスクが上がる
- うつ病や不安症にかかりやすくなる
- アレルギーのリスクが上がる
といった症状を引き起こしやすいんですな(1)。特に最近はビタミンDの大事さが見直されつつありまして、科学界でも「日焼けの危険性を誇張しすぎなんじゃない?」って風潮もできつつある感じ。
また、現代人は日光の量が不足しがちで、
- 仕事は屋内がメイン
- 通勤は車か電車
- 帰宅後は自宅でテレビかネット
みたいなライフスタイルだと、いかに週末にアウトドアへ出かけてもビタミンDが足りなくなることがわかっております(1)。数百万年の進化の過程で、ヒトの体は陽の光がないと上手く機能しないようにできちゃってるんですな。
日焼けのリスクは誇張されすぎている
とはいえ、「やっぱり皮膚ガンが怖い…」とか「お肌のダメージが怖い…」って意見もありましょうが、正直なところ、近ごろの美容&健康界は紫外線の害をあおりすぎのようにも思います。
ビタミンD研究の権威であるマイケル・ホリック博士によると、
適度な日光浴(肌が赤らむほどではなく、健康的な小麦色に焼けるぐらい)のレベルで、皮膚ガンの発症率が高まることを示した科学的なデータは存在しない。皮膚ガンにつながるのは、あくまで過度な日光を浴びたときだけだ。
とのこと(1)。 肌が赤くなって痛むレベルの日焼けでなければ、とくに皮膚ガンリスクは上がらないわけですね。
というか、ビタミンDが足りないせいで皮膚ガンが起きたり、肌が劣化してしまうリスクもかなりありまして、美容のために日光を避けまくってたら、逆に肌にシワが増えたなんて事態にもなりかねないのが難しいところ。なにごともバランスが大事ですねぇ。
自分にとってベストな日光の量を知ろう!
「じゃあ、適切な日光の量は?」って話ですが、これは個人の肌の色や住んでる場所によって大きく変わるんで、自分の体で確かめるしかない感じ。具体的には、
- 日光を浴びてから24時間後の肌の色をチェックし、肌がほんのりピンク色か健康的な小麦色に変わる時間を把握する。この時間を1MEDと呼ぶ。
- 最低でも1日に1MEDの25〜50%は太陽の光を浴びる。
って感じ。ちなみに、日本人はだいたい1MEDが25〜37分ぐらいなんで、1日に6分から20分ぐらいは全身に太陽を浴びないとビタミンDが足りなくなる感じ。もちろん、あくまでこれは最低ラインなので、健康や美容の効果をマックスにするには、もうちょい浴びたいところではあります。
その目安としては、
- 最低ライン:全身の肌の35%を出した状態で、1MEDの50%の時間だけ陽の光を浴びる。
- ベストライン:全身の肌の60%を出した状態で、20〜40分は陽の光を浴びる。
といったところ。といっても、あんまり細かな数字を気にしてもしょうがないんで、
- 肌が痛くなるぐらいの日焼けを起こさない範囲で、日光は自由に浴びた方がいい!
ぐらいの感覚でOKかと思います。
パレオダイエットの日光浴ガイドライン
そんなわけで、パレオダイエット的な日光浴のガイドラインは、以下のとおりです。
- 肌の痛みや水ぶくれが起きるレベルの日焼けは絶対に避ける。
- 最低でも1日に10分は全身の3割の肌に陽の光を浴びる。健康的な小麦色の肌か、ほんのりピンク色になるぐらいの日焼けなら問題なし。
- 日焼け止めの成分にはケミカルな物質が多いので、なるべく安全なものを選ぶ。くわしくは「理想的な日焼け止めについて考えてみる」をどうぞ。
- 外に出る機会が少ないときは、もっともビタミンDの生産量が多くなる正午の時間を狙う。
- まとまった時間を日光浴に割くよりは、数分の日光浴をくり返したほうがビタミンDの生産量は多くなる。
- パレオダイエットの食事法を守って抗酸化作用の大きい野菜や果物をちゃんと食べ、紫外線のダメージを最小限に減らす。
- 冬場などはビタミンDのサプリを飲むのもアリ。ただし、吸収率などの問題から結局は太陽の光に勝てるものはない。
いろいろ書いてきましたが、太陽は浴びすぎても浴びなさすぎても健康と美容にダメージをあたえるので、心当たりのあるかたはお気をつけくださいませ〜。