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あなたの性格は住む場所によって大きく変わる

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ヒトの性格は住む場所で結構変わる 
人間の性格は変えられるか?って問題についてはまだ諸説あるわけですけど、新しい研究(1)では「性格なんて住む場所でコロコロ変わるんやで!」って結論になってておもしろかったです。


これはミシガン州立大の研究で、127,000人の男女を対象にしたもの。まずは全員の愛着スタイルをチェックしたうえで、それぞれの住所とくらべて統計処理したんですね。



愛着スタイルとはなにか?
愛着スタイルってのは、「他人との関わり方」をベースに人間の性格を分類した理論であります。具体的には、

  • 安定型:他人と自分を信頼してコミュニーケーションが取れるタイプ。他人とほどよい距離を保ちながら接することが可能。
  • 不安型:自分に自信がないせいで、つい「相手に嫌われちゃう!」と思いがちなタイプ。熱しやすく冷めやすい関係性を築く傾向がある。
  • 回避型:他人は頼りにならないと思っており、距離を置いたコミュニーケーションを取ろうとする。親密になるのを嫌うので、相手からは冷たい人だと思われがち。

みたいな感じ。当然、不安と回避の傾向が低いほど、人生はラクになっていくわけです。ちなみに、私は昔から不安と回避の両方が強い人間で、いろいろと難儀しております。


地理の影響で性格が変わる?
で、分析でどんな結果が出たかと言うと、

  • ニューヨークやケンタッキーの人は不安と回避のどちらも高い人が多い
  • カリフォルニアやユタの人は安定している傾向が高い

って感じ。ニューヨークの人はよそ者に冷たいいっぽうで、カリフォルニアは孤独な人にも優しいケースが多いんだそうな。一般的には「都会の人間は冷たい」みたいなイメージもありますけど、ノースダコタやカンザスも不安定型が多いみたいなんで、いちがいにそうも言えないっぽい。


このような結果が出た原因にはいろいろありましょうが、この論文では「地理の影響がデカいんじゃない?」って推測を立てております。というのも、安定型が多いエリアは、だいたい大きな山で隔絶されているケースが多いんですよ。


人間の流動性と性格の変化
どういうことかと言いますと、

  1. 地理的に孤立している
  2. 住人の行き来が少なくなる
  3. コミュニティの重要性が高まる
  4. 他人に優しくなる!

みたいな話です。要するに「人の流動性によってキャラは変わる」ってことでして、前に紹介した「きずなと思いやりが日本をダメにする」って本の発想と似てますね。



とはいえ 同書にもあったように、コミュニティの密度が高い社会は、いっぽうで息苦しさをともなうのも事実ですからねぇ。どっちの社会に適応していきたいかを、あらかじめ自分の価値観に沿って決めておくといいんじゃないでしょうか。


しかし、こうやって見ると、日本で昔から言われる「県民性」みたいなもんも、あながちデタラメではないのかもしれませんなぁ。
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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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