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1日15分の瞑想で決断力が高まるかも


ここ数年のマインドフルネス瞑想ブームのおかげで、毎月のように新しい研究が発表されていますが、サイコロジーサイエンス誌に出た論文は、瞑想で決断力が高まる理由に触れていて面白いです。





この研究が注目したのは、俗に言う「損の上塗り」現象について。つまらない映画なのに最後まで観ちゃったり、どう考えても合わない相手と別れられなかったり、下がる一方の株を手放せなかったりなど、ハタから見ると「なんでもっと早く止めないの?」と思うことを、ついつい続けてしまう心理のことです。


研究者いわく、


ほとんどの人は、最初に間違った選択をしたせいで、ヒドい結果になったことを認めたがりません。初期投資がムダになったことで、みじめな気分を味わいたくないんです。


皮肉にも、このタイプの心理は、初期投資の分を取り戻すかチャラにしようとして、さらなるムダと損を生む原因となるのです。


とのこと。実にありがちですね。わたしの場合ですと、購入したサプリメントに好ましくない成分が入っていたことに後で気づいたものの「せっかくだから…」と飲み続けたり、まったく意味不明な現代思想の本を「高かったから…」と最後まで読んだりとか、かなり日常的に起きている現象であります。


ところが、論文の実験によると、1日たった15分のマインドフルネス瞑想で、この「損の上塗り」現象がガクンと減ったというんですな。


短時間のマインドフルネス瞑想は、現在の情報に集中することで、より合理的な決断をうながすことがわかりました。(中略)


この効果は、2段階のプロセスによって起こります。まず、瞑想は過去や未来に対する意識を減らしてくれます。この心理効果が、ネガティブな感情を抑える方向に働きます。
ネガティブな感情が少なくなると、理性的な決断力が高まる
のです。


とのこと。とにかく「現在」に集中することでストレスが減り、それが決断力のアップにつながるんだ、と。


この効果は、結婚や職探しといった大きなイベントだけでなく、「晩飯に何を食べた方がいいか?」とか、「デートでどこに行くのが正解?」など、日常のささいな決断も成功に導いてくれるらしい。1日15分でこれだけの効果があるなら、試してみない手はないですなぁ。


photo credit: JD Hancock via photopin cc
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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。