大事な決断はお腹が空いてるときにすべし
腹が減ってるほうが良い決断ができるぞ!って面白い論文(1)が出てたのでメモ。
これはユトレヒト大学の調査でして、30人の学生に夜11時から朝までのプチ断食をさせたうえで、「アイオワ・ギャンブリング課題」って有名なテストをやってもらったんですね。学生たちは、裏返しにふせた4つのカードの山から好きな1枚を引くんですが、ほとんどのカードは「あたり」で、10枚に1枚の割合で「はずれ」が入っております。
さらに、4つの山のうち、2つだけは「あたり」が出ると1万円がもらえて、「はずれ」の場合は12万円も損することに。逆に、残る2つの山は「あたり」で5,000円をもらえて、「はずれ」だと2万円の損。当然ながら、損が小さい山からカードを引くほうが有利なんですが、学生たちはこのルールを知らされてないので、何度もカードを取りながら、直感でどちらの山がお得かを判断しなきゃいけない、と。
なんかよくわからんテストですけども、心理学の世界では、現実世界の意思決定に関する研究に使われる定番のテクニックで、過去に行われた実験では、たいていの人は50枚ぐらいから勘が働き出して、有利な山を選べるようになるんだそうな。
で、今回の実験では、腹を空かせた学生のほうが、お得な判断するまでの時間が短くなる傾向があったんだとか。普通に考えると、腹が減ったほうがイライラして判断力が鈍りそうなもんですが、研究者によれば、適度な空腹感は感情の機能を高めて野生の勘をアップさせる効果があるんだそうな。複雑な決断が必要な場面では、ヘタに分析力を発揮するよりも直感に頼ったほうがいいってことですかね。
研究者いわく、
(空腹感による)イライラ状態は、確かに衝動的な行動を増やすかもしれない。しかし、その衝動性は、必ずしも悪いことではないのだ。
とのこと。普通は「冷静に判断しろ!」と言いますが、衝動的な状態のほうが直感力が増すかもってのは面白いですねぇ。これからは、難しい判断(誌面のデザイン決めとか)は、腹が減った状態でやってみようかしら。
credit: Danny Merz via FindCC