「大麦若葉」は本当にスーパーフードなのか?
大麦若葉に関するご質問をいただきました。
いつも楽しみに読んでいます。ところで、大麦若葉ってどう思いますか?よくスーパーフードとして紹介されてるのを見かけるのですが、スズキさまの見解を聞かせていただけると嬉しいです!
とのこと。大麦若葉は、その名の通り大麦の若い葉の部分。ミネラルやビタミンが非常に豊富なうえ、大麦とちがってグルテンも入っていないため、いまでは「青汁」の原料によく使われております。
一般的には、「高血圧の予防」「コレステロール低下」「免疫力アップ」「ストレス解消」といった効果があるとされておりますが、その大半はカリウムやビタミンC、ベータカロチン、食物繊維などの作用によるもので、決して大麦若葉だけの凄い成分が入っているわけじゃないところは注意が必要かも。
また、「大麦若葉が健康にいい!」と言われるのは、いずれも大麦に関する研究をベースにしてまして(1,2,3)、大麦若葉そのものの健康効果については実験例がほとんどないのも辛いところ。入っている成分を見る限りは、血圧やコレステロールへの作用は信じてもよさそうな気はしますが(4)。
さらに、大麦若葉について調べると、必ず出てくるのがSOD酵素の話。抗酸化の作用が高い酵素の一種でして、美肌や糖尿にも効く!と言われる成分であります。
大麦若葉には、確かにこのSOD酵素が豊富なんですが、惜しむらくはヒトに対する実験例がまだ1つもないんですよね。いちおう、マウス実験(5)では糖尿病や酸化ストレスに対して良い成績を残してますが、このあたりに関してはまだまだこれからといった感じです。
そんなわけで、いまの時点では、大麦若葉を「スーパーフード」と呼ぶだけのデータはまだない状況です。もちろん、栄養が豊富なのは間違いないので、青汁やサプリメントで飲むのもアリかとは思いますが、他の緑黄色野菜や根菜類でも同じ効果は得られるので、あとはコスト面との兼ね合いじゃないでしょうか。個人的には、普通にブロッコリーやホウレン草を食べるほうを選びますかねー。
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