筋肉と体力を同時に効率よくつける「CEサーキットトレーニング」
筋トレ+有酸素運動でサーキットトレーニング
当ブログでは定期的に、科学実験で使われたトレーニングメニューを紹介しております。過去の例だと、
あたりが結構オススメ。いずれもちゃんとした実験デザインで効果が出てるんで、日々のトレーニングの参考にしていただければと思います。
で、新たに面白かったのが、マドリード工科大学の実験(1)。なんでも「サーキットトレーニングの合間にランニングを挟むと脂肪が燃えやすくなる!」というんですよ。
サーキットトレーニングってのは、短い休憩だけで7〜10種類の筋トレを次々にやっていく手法のこと。全身の筋肉がくまなく鍛えられるうえに、心肺機能もアップするんで、全体的な体力を上げたい人に重宝されております。
3種類のサーキットトレーニングの効果を比べた
で、実験の参加者は18〜28才の男女29人で、以下の3グループにわけたんですね。
- CM:筋トレマシンだけを使ったサーキットトレーニング
- FW:ダンベルやバーベルを使ったサーキットトレーニング
- CE:マシンとフリーウェイトを使ったサーキットトレーニングの間に、ランニングマシンをはさむ
といってもわかりにくいでしょうから、論文の解説イラストを引用しときます。45秒で1種目を終えたら15秒だけ休んで次のメニューに取りかかる感じ。
また、筋トレの負荷は15RMの70%で15回ずつ、ランニングは最大酸素摂取量の70%だそうです。辛すぎず楽すぎずで良いバランスじゃないでしょうか。
筋トレ+ランニングで脂肪燃焼と疲労感が改善
さて、このトレーニングでどんな違いが出たかというと、
- 筋トレ+ランニングのグループは…
- もっとも消費カロリーが多かった(1分あたり13kcal。CMは8.9kcalでFWは10.4kcal)
- 疲労レベルがもっとも低かった(-9%。CMは+2%でFWは+8%)
- もっとも脂肪を燃やしていた(脂肪と糖の燃焼比率が高い)
って感じ。要するに、筋トレ+ランニングのグループは、もっともエネルギーを使っているのに、なぜかトレーニング後の疲れが少なかったわけです。おもしろいですねぇ。
「疲労」ってのは複雑な現象なので、なんでこういう結果が出たのかは不明(なんとなく脳の問題のような気がしますけど)。が、この結果について研究者いわく、
今回の結果によれば、筋トレと有酸素運動を組み合わせてサーキットトレーニングを行えば、明らかに消費カロリーがアップする。これは、より精神的な負担が少なくダイエットができる可能性を示している。
とのこと。まぁデータでは消費カロリーの増え方はさほどでもないものの、なにせ運動後の疲労感が少ないので、モチベーションアップの効果が大きそうですね。
まとめ
「パレオダイエットの教科書」にも書いたとおり、体脂肪を減らすために運動をするのはNGなんですが、疲れない体を作ったり脳の機能をアップさせるためにはエクササイズの習慣化が必須。その点で今回の手法は、
- まとめて筋力と心肺機能を高めることができる
- 疲れが少ないのでエクササイズへの恐れが減る
ってあたりが非常によろしいんじゃないでしょうか。私も久々にサーキットトレーニングを取り入れてみようかしら…。