サイコパスは生まれか育ちか
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サイコパスは生まれか育ちか
昔からサイコパスに興味があるので、当ブログでも定期的にとりあげております。たとえば、
などなど。とくに最近では「プロソーシャルサイコパス」(社会の利益になる行動をとるサイコパス)なんて概念も出てきまして、なかなかおもしろいもんです。
で、近ごろチェックした論文(1)では、「サイコパスって生まれなの?育ちなの?」ってとこを調べていてこれまた興味深い。要するに、サイコパスって生まれつきの性質なのか、それとも育ってきた環境が左右するのかって問題ですな。
幼少期のサイコパスは94%が遺伝
これは南カリフォルニア大学の研究で、780組の双子を対象にしたもの。一卵性双生児の遺伝子と環境をチェックしつつ、同時に両親などにもアンケートを行って、2〜3年ごとに全員のサイコパスレベルを記録していったんですね(他人への冷淡さとか社会基準に従順かどうかとか)。
それでどんな結果が出たかというと、
- 9-13才時のサイコパス的な行動は94%が遺伝の影響
- 13-15才時のサイコパス的な行動は71%が遺伝の影響
- 14-15才時のサイコパス的な行動は66%が遺伝の影響
みたいな感じ。幼少期のサイコパスはほぼ遺伝なんだけど、年を取るにつれて環境の要素も大きくなってくるみたいっすね。
思春期までの環境が成人後のサイコパス度を決める
さらに、ここで大事なポイントなのが、
- 11-13才の時点までに環境の影響がないと「悪いサイコパス」になりがち
ってとこでしょうね。思春期までに良い環境の影響を受けておかないと、社会的なサイコパスになるのは難しくなっていくんだ、と。
もっとも何が「良い環境」なのかってのは難しい問題ですが、以前に紹介した「子育てと遺伝の関係」では、親の育て方よりも友人関係のほうが大事って傾向が出てますからねぇ。幼少期に良い友人に恵まれるのがポイントなのかも(よくわかりませんが)。