酸化が少ない「最強のホエイプロテイン」について考えてみる
ホエイプロテインって酸化しないの?
こないだ「タンパク質の酸化も怖そうですよー」みたいな話を書いたところ、こんなご質問をいただきました。
プロテインパウダーの酸化は問題ないのでしょうか?熱でタンパク質が劣化するというなら、プロテインパウダーにも同じことが起きてそうに思います。
そんなにタンパク質が熱に弱いなら、市販のプロテインパウダーも劣化しているんじゃないのか、と。まことにごもっともな疑問かと思います。
非加熱プロテインの効果を確かめた研究はない
実際、近ごろは非加熱をウリにした商品も増えてまして、「ゴールデンホエイ」などが有名どころかと思います。健康に気を使う筋トレ好きほど、非加熱プロテインに注目している感じ。
しかし、残念ながら「非加熱のホエイプロテインって本当にいいの?」 って問題については、現時点では誰も明確な答えを出せないかと思います。なんせ、熱処理したホエイプロテインと非加熱な商品の差をくらべた研究がないもんですから。
ホエイプロテインはかなり酸化に強い
ただし、個人的にポイントだと思うのは、「ホエイプロテインが異常に酸化に強い」って点だったりします。
これは過去のデータでも山ほど確認されていて、例えば1993年の実験(1)だと、60度の環境で保存したプロテインはすぐに酸化したけど、25度の環境で1年も放置した場合は18%しか酸化が起きなかったとか。これは他のタンパク源にくらべると凄い数値。
なぜこんな現象が起きるかといえば、そもそもホエイプロテインは抗酸化の能力が凄いからであります。
そのメカニズムは、「グルタチオンを増やすための食品リスト」で軽く書いたとおり。ホエイプロテインには、「抗酸化物質の王」と呼ばれるグルタチオンを増やす作用が高いんですね(2)。
おかげで、2011年の実験(3)などでは、筋トレをさせたマウスにホエイプロテインを飲ませたら、脂肪とタンパク質の酸化が減った!なんて結果が出てたりとか。この他にも、ヒトを対象にした実験でもいろいろな健康効果が確認されてますし、どうもホエイプロテインに限ってはタンパク質酸化の影響はかなり低そうではないかと。
ホエイプロテインパウダーの酸化レベルは高くない
この件で最も参考になるのは2006年の実験(4)で、研究チームは、乳幼児用に販売されているホエイプロテインの酸化度(タンパク質カルボニル)を調べたんですよ。その結果は、
- プロテインパウダーの酸化レベルは、冷凍された未加工の食肉と同じぐらい
だったそうで、やっぱり大した問題はなさそうであります。ハッキリとは言えないものの、市販のホエイプロテインについてはそんなに心配ないんじゃないかなぁ。
それでも心配ならCFM製法のプロテインを
もちろん前回も書いたとおり、どんなタンパク質でもある程度は酸化するので、「できるだけ安全な商品がいい!」って方には、CFM製法を使った商品をオススメしておきます。
これは、細かなフィルタを使ってプロテインを濾過していく方法で、10度ぐらいの低温で作れるうえにタンパク質の含有量が多い(80〜90%ぐらい)のが特徴。そのぶん値段はお高くなりますけど、安心を買いたい方はどうぞ。
特にKentaiから出ている「100%CFMホエイプロテイン」などは、ラクトースの量もかなり少ないので、リーキーガット気味な人にも良いのではないかと。どうぞよしなに。