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パレオさんに聞いてみよう#6: フランス人は太らない?サバ缶の酸化は大丈夫?etc...

Qanda  

 細かなご質問にまとめてお答えしていくシリーズの6回目です。今回は7つほど一気にまとめてみました。

 

病後の食事についてとか

父は現在、肝機能の数値や血液検査もまったく正常。脳のスキャンも問題なし。高血圧も食事で治りました。ただ最近はいくら食べてもなぜか太れなくなっています。なぜか痩せていく一方です。

わたしは真島消化器クリニックの食事療法をネットでみて参考にしていました。油は使わない。お肉は週1か2で皮をはいだ鶏肉を使う。野菜のおかずは3品。(中略)

もしかすると雑穀米でいくら食べても体が痩せていくってありえますか? あと他に考えられることはウラジロガシ茶を毎日父だけは飲んでいました。胆石もあったので。お茶の効能で痩せていくってありえますか?

 

第一に、雑穀米だろうがお茶だろうが、「痩せていく一方」になるような力はないかと。いまの食事法を拝見しますと、かなり食事報酬のレベルが低い内容なので、そのせいでカロリーが増やせない状態なんだと思います。

 

 

体を壊さずにウェイトを上げる方法については、以前に「もっと健康的に体重を増やしたい!という人に送る4つの解決策」にまとめたしたので、こちらをご参照くださいませ。特にお父様の場合は、ステップ2の「カロリー密度を高める」を意識されるとよいのではないかと。

 

 

もしかしたら油を摂ることに抵抗があるかもですが、その場合は「サーモンやトロのように脂肪が多い魚」を増やしていくのがオススメです。

 

 

フランス人は太らない?問題

フランス人デブいない?という記事がありました。フランス人が他のヨーロッパ諸国より肥満が少ないのはチーズやクリームをたくさん食べるからだそうです。どうなんでしょうか?

 

いやー、フランス人ってそこそこ太ってますけどねぇ笑。2016年の調査(1)だと、約30,000人のフランス人を調べたら30才以上の男性の56.8%が過体重だったとか(女性は40.9%)。

 

 

記事中に出ている「EU28カ国のうち20カ国中、フランスの肥満度は最下位より2番目」って数値は、ヨーロッパの人ってかなり肥満が多いんだな!ことにしかならないのでは。 

 

 



 

 

サバ缶の酸化とか 

少し前に、煮干しについての記事がありました。そこで疑問が湧きまして、サバの水煮は栄養やオメガ3の酸化の面ではありでしょうか?

 

基本的に、サバ缶は空気を抜いてから加熱しますんで、オメガ3酸化については特に心配しておりません。マルハチニチロチャンネルの「あけぼのさけができるまで」って動画が参考になりますよー。

 

 

飽きっぽい性格をどうするか

私はとにかく飽きっぽい性格をどうにかしたいと悩んでます。 瞑想などは4年前から毎朝習慣化できているのですが... 楽しい事しかできず、とにかく経験した事に満足してしまいます。 このままだと何も手にできないまま生きていくのかなと悟っています。 

 

私も飽きっぽい性格なんで、お気持ちはわかります。が、「やる気が出ない!」とか「飽きた!」ってときは、たいていは作業の難易度設定をミスってることが多いんじゃないでしょうか? このへんについてくわしくは、コロンビア大学の2016年論文が参考になるかと思います。

 

 

あとは、「エクストリームスポーツに学ぶフロー状態の入り方」なんかも、飽きっぽさの打破って点では役に立つかも。とにかく「飽きたなー」と思ったら、まずはタスクの難易度を見直してみることをオススメします。

 

 

まぁ「飽きっぽい」というとネガティブなイメージですが、パレオ的に言えば、退屈の感情は「イノベーションを生み出せ!」や「新しいことにチャレンジせよ!」というシグナルを出すために進化してきた大事な機能のひとつではあります。退屈の感情が出てきたら、「進化の神が俺にチャレンジを求めているのだ!」ぐらいに思っておけばいいんじゃないでしょうか(中二病)。

 

 

プロバイオティクスの効果は?

プロバイオティクスは合う合わないの個人差が大きいという話をおっしゃってますが、自分に合ってるかどうかの判断基準は何かありますか?

というのも、今年に入ってブロッコリーとほうれん草を毎日400gくらい食べてから快便で、それに加えて3月からビオスリーHi錠も取り入れたんですが、ビオスリーの方は本当に効果があったのかよくわかりません。

もし何か指針などありましたら教えてください。

 

体にいいことをやりすぎたせいで、いったい「何が効いたのかがわからなくなっちゃう」パターンですね。私のような健康オタにありがちな問題ですよね(笑)。

 

 

正直、プロバイオティクスの効果を判断するには、

 

  1. いったん他のサプリを1〜2週間ぐらいすべて止める
  2. しばらくプロバイオティクスだけを飲んでみる

 

といった手順をふむしかないんじゃないでしょうか。ただし、ご質問を読むとすでに快便状態でいらっしゃるようなので、あえてプロバイオティクスを飲む必要はないのではないでしょうか? 以前にも書いたとおり、腸内が正常な人にはプロバイオティクスはムダな可能性が高いものですから。

 

 

ソイプロテイン、どう?

ブログでは度々ホエイプロテインをオススメされていますが、私はホエイプロテインを飲むと何故か体臭がとんでもなくキツくなってしまいお腹を下してしまいます(ソイプロテインは体臭はキツくならないですがやはりお腹は下します)

これはどんな原因が考えられるでしょうか?対策も出来れば教えて下さい。これさえ解決できればホエイプロテインの方が安くて助かるのですが・・・。

 

ソイプロテインでお腹を下すとすれば、大豆アレルギーですかねぇ…。下痢と同時に肌が赤くなったり鼻づまりが起きるようであれば、 もともと体が大豆に弱いのかもしれません。ただ、ソイプロテインは植物性エストロゲンが多いので、個人的にはあんまオススメしないかなぁ。

 

 

そんなわけで、まずはCFM製法のホエイプロテインを試してみてはいかがでしょう? これならラクトースもかなり少ないので、お腹を壊す可能性はかなり低くなるかと思います。これでもダメだったら……またご質問ください。

 

 

 

小太りは健康?とか

今回、以下のような気になる記事を見ましたのでメッセージを送りました。

「身体機能を回復し、健康寿命を延ばす。 ――老化・寿命の研究で解明された物質「NMN」の驚きの効用」 www.mugendai-web.jp/archives/657

私の理解では、狩猟採集民のように普通かやや痩せ型の方が健康寿命は延びるのかなと勝手に思っていましたが、小太りのほうが良いだろうとこの記事では言われていますがどうなのでしょうか?

また、NMNというのは初めて聞く言葉でしたが、パレオさんはNMNや脂肪量と寿命の関係についてなにか具体的に言及された記事はあったでしょうか?

 

 NMNに関しては、以前に簡単な話を書いてますのでご参照ください。ざっくり言うと、まだ動物実験のレベルなんでなんとも言えないものの、かなり将来に期待ができる成分だろうと思います。NMNの摂取については、現時点ではブロッコリーを推奨。

 

 

また、「小太りのほうが長生き!」って説については、いまのところ科学界ではかなり評判が悪いです。くわしくは「長生きしたけりゃデブのほうがいい ! は大間違い」などをどうぞー。

 


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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