「仕事を家に持ち込むな!」の正しさが実験で確認される
仕事を家に持ち込むと体を病む?
「仕事を家に持ち込むと心臓がヤバいかも!」 って研究(1)がおもしろかったんでメモ。
これはイギリスで行われた研究で、195人の男女を対象にしたもの。金融関係の仕事をしている20〜62才のビジネスマンを選んで、まずは「仕事をプライベートに持ち込んでるレベル」を調べたんですね。具体的には「休日に仕事について考えることが多いですか?」みたいな質問に答えてもらったみたい。
仕事の持ち込みと心拍変動を調べた
ここで大事なのは、実際には何の作業をしていなくても、仕事について考えた時点で「家に仕事を持ち込んでいる!」としてカウントされるとこ。プライベートと仕事を切り離せない人ほど健康へのダメージが大きいんじゃないの?ってのが研究者の仮説なんですな。
これは、小難しく言うと「固執認知」って状態でして、昔からストレスの大きな原因のひとつと言われております。要するに、仕事そのものがストレスの原因なんじゃなくて、仕事について考え続けちゃう状態が問題なんだってことです。
さらに、研究者は「Microsoft Band 2」を参加者にわたして、みんなの心拍変動が1日のあいだにどう変わったかを2カ月チェックしたそうな。当ブログでも何度か書いているとおり、心拍変動はストレスを表す大事なサインのひとつであります。
運動ではストレスに対応できない
それで何がわかったかと言いますと、
- 仕事を家に持ち込む人ほど副交感神経の活動が低い(=ストレスが高い)
- 仕事を家に持ち込むストレスは、運動をしても減らない
- 自宅で仕事が入るとストレスが激しくスパイクする
みたいな感じ。この結果をもとに、研究者は「仕事を家に持ち込むと病気のリスクが増えるんじゃない?」と推測しておられます。というのも、心拍変動が低い人ほど心疾患にかかりやすいことが過去の研究でわかってるんですよね。
大半の人は自分の体のストレス反応に気づけない
さらに、この実験を行ったデビッド・プラン博士いわく、
過去の予備研究では、ほとんどの人が、自分の体にストレスのサインが出ていることに気づかないことがわかった。自分では「ストレスを感じていない」と思っても、実は体のストレス反応は増えているのだ。
とのこと(2)。意外と多くの人は体が発するストレスに鈍感みたいっすね。その意味でも、あらためて心拍変動って使えるなーとか思ったりしました。みなさまも、ぜひ身体のストレス反応に敏感であられますよう。