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ストレスに勝ちたきゃ心拍変動を鍛えるべし!みたいな話

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ストレスへの強さは心拍変動で決まる!」って論文(1)がおもしろかったんでメモ。

 

 

これはペンシルベニア州立大学の実験で、35〜85才の男女909名を対象にしたもの。毎日みんなに電話インタビューを行い、以下のデータを集めたらしい。

 

  • 心電図
  • ストレスを感じた出来事
  • ストレスに対して抱いた感情

 

心電図を測ったのは、全員の「心拍変動」が知りたいからであります。

 

 

心拍変動は、その名のとおり心拍数のゆらぎを表わす数値。近ごろは「ストレスは心拍変動でわかる!」と言われてまして、

 

  • 緊張するほど心拍数がメトロノームみたいに一定になる
  • リラックスすると心拍数は細かく移り変わる

 

といった傾向がハッキリ出るんですな。つまり心拍変動がわかれば、その人が「本当にストレスを感じているかどうか?」がわかるわけであります。

 

 

研究者いわく、

 

心拍変動が高いと変化に適応する能力が高くなり、健康に良い結果をもたらす。

 

心拍変動が低いと心疾患は早死のリスクが高くなる。

 

とのこと。健康と心拍変動には大きな関係があるんだ、と。

 

 



 

さて、実験の結果はと言いますと、

 

  1. ストレスフルな出来事を一歩引いて見る人は、心拍変動が高いままになる(=ストレスの悪影響を受けない)
  2. ストレスフルな出来事にネガティブな感情がわく人ほど、心拍変動は低くなっていく(=ストレスの悪影響に弱い)

 

みたいな感じ。重要なのはストレスそのものではなく、ストレスに対するスタンスなわけですね。

 

 

研究者いわく、

 

 日々のストレスにポジティブな態度でのぞめば、長い目で見て健康に良い影響が出る。

 

イライラする状況でも落ち着きや快活さを保てる人は、体が炎症を起こすリスクが減る。慢性炎症は、がんや心臓病、肥満の原因になる。

 

わたしたちのストレスに対する気の持ち方が、自分の健康に大きな影響をあたえているのだ。

 

とのこと。 「スタンフォードの自分を変える教室」でも「心拍変動が高いと意志力が上がる」と紹介されてましたし、やっぱり心拍変動は熱いテーマのひとつですなぁ。

 

 

ちなみに当ブログでは、心拍変動を鍛える方法として「片鼻呼吸法」や「マインドフルネス瞑想」をオススメしております。ただし、感情のコントロールやリラックスができれば心拍変動は上がるんで、「脱フュージョン」や「自分を壁に止まったハエだと考える」のようなテクを使うのもアリかなーと。

 

 


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。