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質の高いデータを見ると「マインドフルネス」の効果についてどこまで言えるのか?

 Meditation

  

現在のマインドフルネス研究は質が低い

マインドフルネスの研究って山ほどあるんですけど、いまのとこデータの質がよくないのが欠点。ちゃんとしたコントロール群がなかったり、比較の対象がおかしかったりで、どうにも信頼度が低いものが多いんですよね。ざっくりした感覚でいうと、良いデータに当たるのは1,000分の1ぐらいの割合。

 

 

おかげでメタ分析なんかを行うとデータ数がガクンと減っちゃって、2015年の時点では「あんま良い研究がないからマインドフルネスはいまいちかも」なんて結果につながってたわけであります。目新しいジャンルの研究ではありがちな話ですけども。

 

 

ただ、ここ数年でさすがにマインドフルネス研究の質もあがってきまして、RCT(リサーチのゴールドスタンダードで)をちゃんと使ったものも増えております。ってことで、私が見たなかで「わりといいデザインだなー」と思ったものをピックアップしてまとめておこうかと。

 

 

1.マインドフルネスで「いい人」に

コロラド大学が2016年に行ったRCT(1)で、スマホを使ったガイド瞑想をおこなったグループは、それ以外のグループよりもチャリティに募金する金額が上がったとのこと。

 

 

ここで使われたガイド瞑想は「慈悲の瞑想」でして、自分をふくめたすべての命の幸福を願うタイプの手法。くわしくは「慈悲の瞑想はやっぱりメンタルに効果があるようだ」などをどーぞ。

 

 

慈悲の瞑想については、2013年のRCT(2)でも「参加者の寛大さがあがった!」って報告が出てたり、2014年のRCT(3)でも「慈悲のトレーニングで『思いやり』をつかさどる脳に変化が起きた!」なんて結果もあったりします。いずれも実験デザインはかなりまともでして、「慈悲の瞑想」で良き人になれる可能瀬はかなり高そう。

 

 

そういえば近ごろは、あのカバットジン先生が、オリンピック出場チームに対して「チームワークを良くするためにマインドフルネスを処方してる」なんて話もありまして、そのへんもおもしろい感じ。

 

 

2.マインドフルネスと記憶力アップ

2015年のメタ分析だと、マインドフルネスで記憶力がアップするかどうかは「まだデータ不足で判定不可能」とのこと。マインドフルネス研究はメンタルヘルスに関する実験がメインなんで、このあたりは本当に量が少ないんですよね。

 

 

ただ、そんななかで数少ない良い研究なのが、2012年のカリフォルニア大学実験(2)。ざっくり言うと、シンプルな呼吸瞑想を8分だけおこなったグループは、そうでないグループに比べて、記憶力テストの成績が16%も上がったというんですな。果たして、この結果がどこまで現実世界に適用できるのかはわからんのですが、個人的には希望を持っております。

 

 

まぁ逆に言えば、この手の良い研究は本当に少ないので、現時点で「マインドフルネスで記憶力アップ!」と喧伝するような本はどうなのかなーってことにもなるんですが。

 

 

3.マインドフルネスと集中力アップ

瞑想というと、いかにも集中力アップに効きそうなイメージがありますけど、やっぱりこちらもデータ数では不足ぎみ。そんななか、近年でもっともデザインがよかったのは2016年の実験(3)で、10分程度の呼吸瞑想の効果について調べたもの。

 

 

これはウィスコンシン大学の実験で、44人の男女を対象にしてまして、事前にアンケートを行って普段からマルチタスク作業が多い人だけを選んだらしい。

 

 

実験では、参加者に呼吸を数えるタイプの瞑想」を10分だけやってもらい、そのあとで集中力テストを実践。すると、有意に集中力が向上してたというんですな。

 

 

とりあえず質の高いデータが少ないのが難点ではありますが、集中力が必要な作業の前には、10分の数息観を試してみるのはよさげ。

 

 

まとめ

というわけで、まだまだ精度の高いリサーチが少ない状態のなかで、とりあえず現時点でそこそこ精度が高げなものを抽出してみました。「これだけ?」と思われるかもですが、実際に数が少ないんで仕方ないところであります。上記の効果以外で言うと、

 

 

 ってあたりはかなり認められております。集中力や記憶力でも、もうちょい良いデータが増えていくといいんですけどねー。


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