万病のもと「インスリン抵抗性」にフィッシュオイルは効くのか?
インスリン抵抗性はホントに怖い
ご存じのとおり、日本でも糖尿病が増えてまして、男性は2割が「疑いあり」と言われる昨今。そのもとになるのがインスリン抵抗性の悪化であります。ざっくりいうと、血糖値があがってインスリンが出ても、筋肉や肝臓が血液中のブドウ糖を取り込んでくれない状態っすね。
この問題を解決する確実な方法はないんですけど、とりあえずいまんとこは「とりあえずダイエット!」や「運動をしよう!」と言われることが多いわけです。
また、インスリン抵抗性は体内の炎症と深い関係があるんで、当ブログで紹介してきたような炎症対策は効くんじゃないかなー、とか。いずれにせよ、インスリン抵抗性をほっとくと体は老けてくばかりなので、もし健康診断で数値が悪かったら対策はしておきたいところです。
フィッシュオイルがインスリン抵抗性に効く?
ってことで、昔からよく言われてたのが「フィッシュオイルでインスリン抵抗性に効くんじゃない?」みたいな説。なんせオメガ3に抗炎症作用があるのは間違いないので、炎症と関係が深いインスリン抵抗性にも良い影響がありそうな気がするわけです。
といっても、この説についてはまだ精度が高いデータがありませんで、どんなもんかなーと思ってたんですが、近ごろガッツリしたメタ分析(1)が出ておりました。
これは過去498件のトライアルから精度が高い17件を抜き出した研究で、インスリン抵抗性にフィッシュオイルが効くかどうかをチェックしたもの。平均的なフィッシュオイルの使用量は1回2.4gで、実験期間は10週間ぐらいが普通な感じ。
フィッシュオイルの効果はいまいちパッとしない
で、ざっくり結論から言っちゃいますと、
- フィッシュオイルは、メタボによるインスリン抵抗性の悪化には効くかも
- ただし2型糖尿病の人のインスリン抵抗性には影響がなさげ
って感じです。もしかしたらメタボの人には良いのかもですが、どうも実験期間が短いときにだけ有意差が出てるんで、いまいちハッキリとは言えない感じ。いずれにせよ、パッとしない結果なのは間違いないっすね。
というわけで、これを見る限りは、2型糖尿病の人がフィッシュオイルを飲むメリットはなさげ。もしかしたらメタボにはいいのかもですが、もうちょい長期のデータが欲しいとこではあります。
もしフィッシュオイルを試してみたい場合は、くれぐれも商品の酸化にご注意を。買ってもよさそうなフィッシュオイルについては過去に2つほど紹介してますんで、こちらを合わせてご参照ください。