あなたの音楽の好みは男性ホルモンのバランスで決まる?説
テストステロンで人間の行動は大きく変わる
「テストステロン」といえば、ご存じ男性ホルモンの一種。こいつが減ると一気に元気がなくなったり、毎日のモチベーションが下がったりしますんで、適切なレベルを維持しとくのが大事。
テストステロンがおもしろいのは、昔から「人間の性格にも大きな影響があるのでは?」と言われてるとこです。テストステロンは「活力」や「攻撃性」などに関わるホルモンなんで、いろいろと人間の行動に影響を与えるんですよね。
テストステロンで音楽の好みが変わる
ってところで近ごろおもしろかったのが、「テストステロンの量で音楽の好みが変わる!」ってデータ(1)です。性格特性によって音楽の好みが変わるのは有名で、たとえば、
- 好奇心のレベルが高い人はクラシックを好みがち
- 物事を体系的に考えるのが得意な人はヘビメタを好みがち
みたいなデータが過去にも出てたんだそうな。
心理学的に音楽のタイプは5つに分けられる
で、今回の実験は長崎大学によるもので、76人の男女が対象。まずは全員に5タイプの音楽を聞いてもらい、「どれが好きか?」を採点してもらったんだそうな。
- メロウ系:穏やかでリラックスできるような曲
- コテンポラリー:ラップ、ファンク、アシッドジャズなど
- 伝統的:クラシックや民族音楽など
- ハード系:ラウドミュージックなど
- 素朴系:カントリーなど
このタイプ分けには異論もありましょうが、なんでも「音楽」に対する感情の動きを分類すると、この5パターンに分けるのが適切らしいんですな(2)。うーん、知らなかったなぁ。
音楽の好みはホルモンバランスで決まる説
でもって、全ての参加者にパーソナリティテストを行いつつ、さらにテストステロンの数値も計ったところ、
- 女性はテストステロンの数値によって音楽の趣味が左右されない
- 男性に限り、テストステロンが高い人ほどクラシック音楽を好まない傾向があった(r=-.43)
- また、こちらも男性に限り、テストステロンの数値は「外向性」「開放性」「協調性」と相関していた
- ビッグファイブの性格については、音楽の好みとの相関がなかった
だったそうな。過去には「性格と音楽の好み」を確認したデータもあったんですが、こちらは「相関なし」との結論ですね。つまり、これまで「音楽の好みは性格で決まる」と考えられてきたのは、実はホルモンバランスによるものではないか?って可能性が出てきたわけっすな。
研究者いわく、
我々の知る限りでは、この研究は、生物学的な特質と音楽の好みを示した初の実験だ。
これまでの研究では、テストステロン値が高いほど、反抗的な態度や支配的な態度と結びつきが出ている。
そして、過去の音楽に関する研究によれば、若い者ほどクラシック音楽を「たんに権威を喜ばせるための手段」と考える傾向がある。
これらのデータは、我々の実験とよく適合する。
とのこと。やっぱテストステロンって、いろいろ人間の行動に影響を与えてるんですなぁ。