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なぜサウナはそこまでアンチエイジングに効果があるのか?

Sauna

 

サウナの効果を示した研究はとても多い

サウナが体にいい!って話はよくあるわけです。当ブログで紹介したところだと、

 

 

なんてのがあったりとか。サウナは血管を広げてくれるんで、どうもいろんなメリットがあるっぽいんですよ。

 

 

もっとも、いまんとこ多くのサウナ研究は観察研究が多くて、本当にそこまでサウナが体にいいのかはイマイチ不明だったんですね。おそらく体にいいんだろうなーぐらいの感じ。

 

 

 



 

 

 

なぜサウナが効くのかをガッツリ調査

そんな状況下、サウナの効果をガッツリ調べた論文(1)が出まして、非常にいい内容になっております。

 

 

これは東フィンランド大学の実験で、102人の男女を対象にしたもの。過去に少なくとも一回は心疾患リスクを抱えた人だけを選んだそうな。

 

 

実験デザインは簡単で、

 

  1. 73度のドライサウナに30分入ってもらう
  2. そのあとで全員の血圧を調べる
  3. 30分後にまた血圧を調べる

 

って感じ。それでどんな違いが出たかと言いますと、

 

  • 平均の最高血圧が137 mmHg〜130 mmHgに低下
  • 平均の最低血圧が82 mmHg 〜 75 mmHgに低下
  • 30分が過ぎても最高血圧は低下し続けた

 

だったそうな。これは非常にいい成績ですねー。

 

 

サウナはエクササイズの効果を疑似的に再現している

研究者いわく、

 

定期的にサウナに入っている人は、心疾患リスクがとても低い傾向がある。このメリットは、サウナにより血圧が低下し、血管コンプライアンスが増すことによるものが大きいのだろう。

 

とのこと。血管コンプライアンスってのは、ざっくりいえば「血管の柔軟性があるかどうか?」です。コンプライアンスが高いほど血管が伸び縮みしやすいんで、心疾患のリスクが大きく下がるんですな。

 

 

データを見てますと、サウナに入るとだいたい心拍数が120bpmまで上がってまして、だいたい中程度から高強度のエクササイズをしたのと同じ負荷がかかって感じ。つまり、サウナってのはエクササイズを疑似的に再現してるわけですな。

 

 

過去には「サウナで認知症が改善するかも!」って観察研究(2)があったんですけど、ここまで血管の状態が改善するんなら、脳にいいのも当然ではないかと思われる次第です。なにせ脳機能って心肺機能に大きく左右されますからねー。

 

 

アンチエイジングの一助としてサウナを使うのはアリ

もちろん、だからといって「サウナに入ってれば運動しなくてもOK!」ってわけではなく、研究者も以下のように言っております。

 

サウナがエクササイズと同じぐらい体にいいのかはわからない。少なくとも筋肉に関してはサウナでワークアウトと同じ効果は得られないだろう。

 

しかし、サウナが循環器系に引き起こす反応は、エクササイズにとても良く似ている。

 

さすがに筋肉までは育たないものの、血管のアンチエイジングに関しては、サウナはかなりいいところにいってるんじゃないか、と。

 

 

もちろん、エクササイズのほうが効果が高いのはもちろんですが、追加で日常的にサウナを組み合わせてみるのは、アンチエイジングにとっても良いことじゃないかと思います。近所のジムのサウナ会員になるべきだろうか……。


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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