腸に穴が開く恐怖の「リーキーガット」は、日常生活の「あれ」でも起きちゃうぞ!という実験
当ブログでも「最高の体調」でも何度も書いてますとおり、リーキーガットは万病の元なわけです。いわゆる、腸壁に穴が開いちゃって、体内に毒素が入り込んでしまう状態ですな。
とにかく人間の腸は外敵から身を守るバリアなんで、こいつが破れると一気に全身に炎症が起きてしまう次第。その結果、疲労、謎の痛み、頭のモヤモヤといった不調につながっていくわけっすね。
その原因には諸説ありますが、いまんとこは加工食品とか大気汚染とかそのへんがよく言われる感じ。とりあえず、体に悪そうなものはすべて腸にも悪いと考えていただければ良いかと。
でもって、新しく出た論文(1)では、「男女の不仲もリーキーガットの原因だ!」って結論になってて、ちょっと新しいです。
これはオハイオ州立大学の研究で、研究者はこう言っております。
私たちは、日々の男女間のコミュニケーションの不和が腸内の変化をもたらし、ひいては炎症と病気の発生につながるのではないかと考えた。
ってことで、いまのパートナーと仲が悪いと腸に穴が開くのでは?と考えたわけですな。なんだか新しいアプローチですが、ストレスでリーキーガットが起きるのは有名なので、十分にあり得る話ではないかと。
実験は43組の夫婦が対象で、少なくとも3年以上の付き合いがあるカップルを集めた模様。年齢層は24〜61歳の範囲に散らばっております。
で、どんなデザインの実験だったかと言いますと、
- カップルたちに「最近どんなケンカをしたか?」について20分ほど話し合ってもらう
- カップルの会話を観察して、2人のあいだに「どれぐらいの悪意や敵意があるか?」を判断
- 全員に血液検査を行って、話し合いの前後の状態とくらべる
って感じです。ケンカの内容は金銭トラブルから肉親の介護問題までさまざまだったそうで、同様に2人の仲にも色んなレベルがあったそうな。
さて、その結果は予想のとおりでして、
- 仲が悪いカップルほどケンカの後に全身の炎症が増加していた!
- 具体的には、仲が悪いカップルはリポ多糖結合タンパク質の量が多かった!
みたいな感じです。リポ多糖結合タンパク質が多いってのは「血中にバクテリアが増えてますよー」って意味でして、かなりの確率でリーキーガットも起きてると考えてOK。というか、20分ケンカしただけで全身が炎症するってのは、なかなか怖い結果ですな。
ついでに、この傾向は「過去にうつ病を患ったことがある人」ほど高かったそうで、こちらも納得の結果ではないかと。とにかく男女の対人ストレスが全身に炎症を起こすわけっすね。
研究者いわく、
うつ病と男女間の不和は、事態を激しく悪化させる。さらに、リーキーガットが不調を悪化させることで、よりメンタルが悪化していく。
ってことで、かつて書いた「腸と鬱の地獄サイクル」の観点が強調されておりました。一般に歳をとるほど体内の炎症は増えていくんで、ここらへんの問題は高齢者のほうが大きそうですが。
そんなわけで、リーキーガット対策には健康的な食事と運動が大事なのはもちろんのこと、対人関係のフィックスも非常に重要になりましょう。今回の調査は男女の関係についてだけでしたが、おそらく「嫌な上司」とか「困った肉親」なんてのもリーキーガットの種になるかと思われますのでー。