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瞑想とヨガは遺伝子レベルで体を健康にしてくれるんだぜ!という系統的レビューの話

Yoga

 

こないだ「本当に不安を打ち消すのに役立つのはこの4つだ!」なんて話を書きまして、マインドフルネス瞑想、ヨガ、催眠療法、バイオフィードバックはいい成果が出てるよーってのを紹介したわけです。

 

 

これらのテクニックはおおまかに「心身療法」と呼ばれてまして、ざっくり言えば「心と体をまとめてトレーニングしようぜ!」みたいなことです。当然、体と心はつながってますんで、いっしょにやったほうがいいんですよね。

 

 

でもって、新しく出た論文(1)では、「心身療法は体の炎症にもいいんだぜ!」って結論になってていい感じでした。「最高の体調」にも書いたとおり、人体の炎症は現代人に不調をもたらす最大の原因なわけですが、こいつが改善するってわけですな。

 

 

これはコベントリー大学の研究で、過去に出た心身療法の論文から質が高い18件を選び出して、846人のデータを検討した系統的レビュー。具体的には「マインドフルネス瞑想やヨガで遺伝子はどう変わるの?」ってとこを調べてくれております。つまり研究チームは、心身療法はたんにリラックスにいいだけじゃなくて、そもそも遺伝子レベルで変化を起こすのでは?と考えたわけっすな。

 

 

では、すべてのデータを調べて何がわかったかと言いますと、

 

  • ヨガや瞑想をすると炎症物質の量が減る!

 

だったそうな。マインドフルネス瞑想はメンタルにいいだけでなく、万病の元である炎症を減らし、病気の発症リスクを抑えてくれるんだ、と。こりゃいいですねー。

 

 

 

でもって、なんでヨガや瞑想で体内の炎症が減るのかと言いますと、やっぱりストレスの低減効果が影響しております。

 

 

どういうことかと言うと、そもそも、

 

  1. ストレスが起きると交感神経が興奮して、NF-kBという分子の量が増える
  2. NF-kBが他の遺伝子に影響を与え、炎症物質を増やす
  3. 炎症物質が老化や病気リスクをあげる

 

みたいな流れがあるんですね。ところが、ここに瞑想やヨガをぶつけると一気にストレスが減りまして、上記の流れが断ち切れるんですな。すごいもんですなぁ。

 

 

研究者いわく、

 

世界では数百万人の人がヨガや瞑想を楽しんでいるが、そのメリットが実は分子レベルで始まっていることには気づいていない。この変化は、遺伝子の働きすら変えているかもしれないのだ。

 

この働きは細胞の分子にマーカーを残し、ストレスや不安が遺伝子を変えて体におよぼす悪影響を逆転させていく。つまりヨガや瞑想には、脳を操ってDNAに影響を与え、健康状態を改善してくれるのだ。

 

とのこと。ヨガや瞑想はたんなるリラクゼーションやストレス解消に役立つんじゃなくて、実は遺伝子レベルで人体を改善してくれるんだ、と。いやー、すばらしいっすな。

 

 

ちなみに、この研究では「どれぐらい瞑想するといいよー」みたいな基準はないんですけど、引用文献を見てると、1日10〜20分ぐらいの瞑想を4〜8週間ぐらい続ければいいのではないかと。モチベーションがわきますなぁ。


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。