オーガニックの肉・卵・乳製品は本当に体にいいのか?問題
オーガニック食材の判断はまだ難しい
オーガニック食材は体にいいの?ってのは、実はなかなか難しい問題だったりします。過去にこのブログであつかった話だと、
って感じで、野菜は好きなものを買えばいいけど、肉と乳製品はオーガニックに優位性がちょっとあるかもなぁ……ぐらいになってたりします。
どうにもスパッと言えないのは、この手の研究って前提条件が違いすぎて、ちゃんとしたメタ分析などもできない状況なんですよ。その意味では、いまの時点で「オーガニック最高!」みたいなことを言ってる人には「そんな断言して大丈夫か?」とか思うわけですが。
で、そんな状況下、「オーガニックで育った肉&卵&乳製品はどこまで体にいいの?」って問題を手厚く調べた系統的レビュー(1)が出ておりました。
オーガニックの肉・卵・乳製品は体にいいのか?
これは過去に行われたオーガニック研究から、わりと質がいい29件を抜き出したもの。これまでの研究と何が違うかと言いますと、「オーガニックが人体にあたえる影響」をしっかり調べてくれたのがポイントになってます。
というのも、これまでのオーガニック研究って「どれだけビタミンが多いか?」とか「どれだけ優秀な脂質が多いか?」といったポイントを調べたものがほとんどで、実際に「ヒトに対して良い影響があるの?」ってとこをまとめたものは少なかったんですな。ありがたいですねぇ。
もっとも、先述のとおり現在のオーガニック研究は研究の質や計測法がバラバラなんで、メタ分析までは行われておりません。ここらへんが統一されないと、なかなかオーガニック業界も発展しなそうですな。
まだ判断しづらいがそれなりに効果がありそう
では、具体的にどんな傾向が見てとれたかと言いますと、
- バター:サンフラワーの種で育った牛からできたバターを使うと、総コレステロール値が下がり、善玉コレステロールが上がる
- 牛肉・豚肉:グラスフェッドで育った肉は善玉コレステロールを増やし、炎症のマーカー(CRPなど)を下げる。ただし中性脂肪は増える
- チーズ:グラスフェッド牛から作ったチーズは炎症のマーカー(CRPなど)を下げる
- 卵:フラックスシードやサンフラワーの種のように良質なエサで育ったものは、中性脂肪と血圧を下げ、良いコレステロールを上げる。ただし、一部の研究では中性脂肪とLDLコレステロールが増えたって報告もあるので、イマイチ判断が難しい
って感じ。一部のデータでは「これはどうなんだ?」みたいな結果も出てるものの、全体的には炎症と脂質の数値が改善してますね。
これだとまだ「肉と乳製品はオーガニック最高!」とは言えないレベルですが、まぁそれなりのメリットはあると言えそうではあります。また、このような改善が見られるのは、おもに共役リノール酸とオメガ3脂肪酸の増量が原因になってるっぽい。
ってことで、個人的にはそこまでオーガニックにこだわらなくてもいいかなーとは思うものの、「自分の経済状況と見合うようであれば購入してみるのも吉」って印象でしょうか。そこまで激しいメリットはなさげですが、買っても損ではなさそうですよーぐらいの感じで。