オーガニックが健康にいいはどこまで本当? 普通にスーパーで好きな野菜を買えばいいのでは?問題
https://yuchrszk.blogspot.com/2016/02/blog-post_31.html
オーガニック野菜に関するご質問をいただきました。
いつも楽しく拝見しています。オーガニックについて、どのようにお考えか知りたくメッセージを送らせていただきました。パレオダイエットというとオーガニックにこだわっているような印象もあるのですが、実際は高価で手が出せません。鈴木さんの見解をうかがえれば幸いです!
とのこと。確かにここ数年はオーガニック料理を出す店も増えまして、気になっちゃうところですねぇ。
オーガニックのほうが体にいいってデータはない
が、結論からいえば、個人的にはオーガニックにこだわりは持っておりません。というのも、いまのとこ普通の野菜よりもオーガニックのほうが体にいいって結論は出てないんですよ。オーガニック野菜に関する研究はたくさんありまして、たとえば有名なのが2009年にロンドン大学が行った調査(1)。過去に行われた162の研究データをまとめた系統的レビューで、科学的な信頼性は高くなっております。
使われたデータは1958〜2008年のもの。この50年のあいだに、オーガニック野菜の栄養分析が大量に行われてきたんですね。
オーガニックのほうが栄養価が高いわけじゃない
その結論をざっくり抜き出すと、- 質の高い研究だけを精査したところ、オーガニックと従来の食品のあいだに栄養の違いは見られなかった
- 一部の穀物には少しだけ栄養の違いが見られたが、これは肥料と収穫時期の違いによるもの
みたいな感じ。とりあえず栄養価に関しては、特にオーガニックが優れているってことはないみたいっすね。研究者いわく、
オーガニックな食品を食べても、特に体に良いことはないだろう。もちろん、オーガニックが従来の食品よりも劣っているというわけではない。
とのこと。別に栄養レベルは同じなんだから、好きなほうを食べればいいんだ、と。
オーガニック食品を食べても特に健康のメリットはない
さらに2010年にも系統的レビュー(2)が行われてまして、今度はオーガニック食品の健康効果をダイレクトに調べたんですね。1958〜2008年に行われた12件のデータを精査したところ、大半の研究データは、オーガニックだろうが従来の食品だろうが、どっちを食べても健康的には違いがないことを示している。
とのこと。厳密に言えばオーガニックの乳製品には幼児の湿疹リスクの低下が認められたものの、大半のデータでは、栄養の差はもちろん、残留農薬の影響についても目立った違いは見られなかったそうな。オーガニックのほうが農薬が少ないのは確かなんですが、結局は微妙な差でしかないため、長期的にみても大きなメリットはないらしい。