ポジティブ思考は、長い目でみると逆にうつ状態の原因になる?
以前から、当ブログではポジティブシンキングに対してイチャモンをつけております(笑)。実際、ポジティブシンキングの悪影響に関するデータも多いですし、ポジティブ心理学の効果は非常に低いって研究もあったり。
といった状況下、今度は「ポジティブシンキングはうつ病と関連が!」ってデータ(1)が出てきまして、これがなかなかおもしろいんですよ。
研究を行ったのは、「成功するには ポジティブ思考を捨てなさい」で有名なエッティンゲン博士。ポジティブ研究の第一人者であります。
実験は67名の学生を対象にしたもので、全員に架空のシナリオを想像してもらったんですね。具体的には、「クライアントにビジネスの拡張を提案するところをイメージしてください」といった指示を出して、学生に自分の空想のポジティブ度をランク付けしてもらう感じ。この作業を12パターンくり返したみたい。
その結果は、
- 前向きな空想(ビジネスが上手くいく!)をした学生は、その直後には気分が良くなったが、1カ月後には逆にうつ状態が増加していた。
- 普段からポジティブな想像をする学生ほど長期的にはうつ状態になる確率が高く、その効果は7ヵ月後にも確認された。
ポジティブ思考は一時のやすらぎにはなるけど、長い目でみたらメンタルには悪影響なんだ、と。
もちろん、この実験だけでは「ポジティブがうつ病の原因に!」って結論は出せません。が、実際のところポジティブ思考が役に立たないケースは非常に多く、逆にモチベーションが下がってしまう現象も確認されてまして、個人的にも「宝地図」や「マーフィー」といった成功術に対しては疑いを持っちゃうわけです。
研究者いわく、
現代は、いままでになく「ポジティブシンキング」がもてはやされる時代だ。自己啓発のマーケットはポジティブ思考によって拡大を続け、96億円の規模を持つ拡大市場になっている。
しかし今回の発見は、わたしたちや社会全体の長期的な幸福感に、自己啓発マーケットが悪影響をおよぼしている可能性を示す。
とのこと。とりあえず、わたしはネガティブの強みを活かす方向に進みたいと思っております。レッツネガティブ!