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新時代のエクササイズはHIITじゃなくて「HIIPA」だ!みたいな説が爆誕してた件



MVPAとかHIITとかSITとか、エクササイズの世界にはいろんな略語があるわけです。特にここ数年で流行りなのはご存じHIITで、私の場合はHIIT-WBっていう手法をよく使ってます。いやー、アルファベットばっかでなにがなんだかわかりませんね(笑)


でもって、今度は新たに「HIIPA」という新たな略語が爆誕しておりました(R)。これはシドニー大学などの研究チームが発表した論説で、タイトルをざっくり訳すと「HIIPAは新時代のHIITなのか?」みたいになります。つまり、HIITもいいけど、もうちょいいい方法があるんじゃないの?って内容の文章になってるんですな。



HIIPAは「High Intensity Incidental Physical Activity」の略で、ざっくり訳せば「高負荷偶発的身体活動」みたいになります。日本語にしてもなんのこっちゃわかりませんが、すごーく簡単に言いますと、

  • 日々の活動を高負荷でやろうぜ!

のような話です。わざわざジムに行ったり自宅のリビングでスクワットをするんじゃなくて、通勤や家事をちょっと高負荷にしてみよう!って考え方ですね。ちょっと前に「1回1分の小さな運動でも十分に意味はある」って話がありましたけど、これにNEATを組み合わせたような発想だと言えましょう。


研究チームいわく、

実際のところ、より負荷が高い活動を日常のルーチンに組み込むだけでも、十分にクオリティが高いエクササイズを行なったとみなせる。ランチのために坂道を駆け上がったり、庭仕事でいつもより体を動かしたりなど、日常のルーチンはなんでもいい。

とのこと。昔から「エレベーターの代わりに階段を使おう」みたいな話がありますが、このアドバイスをもっと高負荷で行うのがHIIPAなわけですな。


というと、そんなことでHIITの代わりになるの?と思う方も多いでしょうが、実はなんの問題もなし。大事なのはHIITみたいに「まとまった時間に高負荷エクササイズをすること」じゃなくて、「1日のうちにどれだけハードに体を動かす時間を作れるか?」なんですな。

さまざまななタイプのHIITを見てみると、どんな手法を使ってもすぐに健康レベルが改善し、心臓や血管も強化される。高負荷な運動をくり返す量は関係がないのだ。

ってことなんで、1日のうちに超短い(20秒〜1分ぐらいの)高負荷な活動を何度もやれば、それはHIITをやったのと同じことになるんだそうな。


実際、直近の実験(R)でも、

  1. 20秒だけ階段を思いっきり駈け上がる作業を1日に3回やる
  2. これを週に3回ぐらいのペースで行う

ってデザインで運動を指示したら、参加者の心肺機能がガッツリ上がったという報告も出てたりします。「HIITは精神的に辛くて……」みたいに思ってる人には良い話じゃないでしょうか。


そんなわけで、HIITがハードすぎて苦手な人は、高負荷な活動を1日に分散させてみるのもいいんじゃないでしょうか。HIIPAの事例をいくつか挙げときますと、

  • 短い距離の移動は車じゃなくてチャリで爆走
  • エレベーターの代わりに階段を爆走
  • 買い物に行ったときは、わざと遠い場所に車を止める
  • 散歩の時は定期的にダッシュを組み合わせる
  • 積極的に坂道を利用する

と行った感じです。マイクロトレーニングの高負荷バージョンとして、意識してみる価値はありそうっすねー。

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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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