「外で遊ぶと目が良くなる!」はどこまで本当か?のメタ分析2発
「外で遊ぶと目が良くなる!」みたいな話はよく聞くところですが、この考え方が事実かどうかをガッツリ調べた論文(R)が出ておりました。
これは「アウトドアで遊ぶのは近視に良いのか?」って問題について調べた先行研究から、質が高めな5件をまとめたメタ分析です。参加者の年齢は6〜18歳の子供がメインで、外で遊ぶ時間の長さと近視化の相関をチェックしてくれたんですな。その点でなかなか質が高いデータと申せましょう。
で、まずはざっくりした結論から紹介しますと、
- アウトドアで遊ぶと近視化の割合は少しゆっくりになる(1年で0.13 日分)
- 眼軸長伸展(眼軸が伸びてピントがズレる状態)の進行もゆっくりになる( 1年で0.03 mm)
- 週のアウトドア時間が長くなるほど、近視が進むリスクも下がる(相対リスク0.66)
みたいになってます。まぁそこまでガッツリ目にいいわけじゃないものの、確実に近視リスクは下がると考えていいんじゃないでしょうか。
もっとも、この研究だと「じゃあ具体的にどれぐらい外で遊べばいいの?」ってのはわからないんですが、そのあたりは2017年論文(R)のほうが参考になりそうです。こちらは25件のデータをまとめたメタ分析になってまして、ざっくりした結論を書くと、
- 1日のアウトドア時間が1.25時間増えるごとに近視のリスクは50%下がる!
って感じです。1日に1.25時間を外で過ごすのは結構ハードな基準ですけど、50%のリスク低下ってのはなかなかっすね。
ちなみに、この効果は年齢が若いときほど高くて、12歳の子供よりも6歳児のほうが格段にメリットは得られやすいらしい。まぁ若いほうが環境の変化に敏感なんで、そのぶんだけアウトドアのメリットも出るんでしょうな。
もちろん、これらのデータは子供しか対象にしてないんで、果たして大人だとどうなのかはよくわかりません。そこらへんは今後の課題ではありますが、大人でも目の緊張をやわらげる作用ぐらいなら得られそうな気もしますね(あくまで推測ですが)。少なくとも、アウトドアがメンタルにいいのは確実なんで、近視の方におかれましては「ついでに目も良くなったらいいなぁ」ぐらいの気持ちで自然の中で遊ぶのもいいんじゃないかと。