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寒さを味方に!コールドトレーニングがもたらす驚きの効果とは?

 
 

冷たい場所でトレーニングすると良いことだらけかも!」みたいな話を、生理学者ドミニク・ガニョン先生が発表(R)していたので内容をチェックしておきましょう。

 

スポーツ科学の世界では、この10年ほど「ヒートトレーニング(暑い環境でのトレーニング)は良いよ!」って考え方が主流で、暑さによるストレスが身体にさまざまな適応をもたらし、発汗量の増加や血液量の増加といった効果が得られると言われてきたんですな。おそらくこの考え方は正しくて、いまでも多くのトップアスリートがヒートトレーニングを実践していたりします。まー、素人が実践するのは難しいので、私は実践していないんですが、ガチでトレーニングしたい方は取り入れてみても良いかもですね。

 

でもって、ここで新たにガニョン先生が発表したデータは「逆もまた真なり!」って考え方でして、「コールドトレーニング(寒い環境でのトレーニング)」が代謝や持久力をガッツリ改善するかもよーって話になっておりました。ガニョン先生は、「寒いところで運動したら身体はどうなるか?」ってのを10年以上にわたって研究してきた生理学者で、いまも寒冷地でのトレーニング研究をさらに進めているんだそうな。あくまでまだ仮説の段階なんだけど、冬の寒い時期に行うトレーニングがいつも以上に効果的だと考えると、ちょっとモチベーションが上がりますな。

 

で、先生の研究によると、寒いところでのトレーニングには以下のような特徴があることがわかっているんだそうな。

 

  • 脂肪が燃えやすくなる:2013年の研究では、寒冷環境で運動を行うと、体が脂肪をより多く燃焼し、炭水化物の消費が抑えられることが確認された。この理由として、寒い環境では筋肉が過熱するのを防げるため、脂肪を燃やすのに必要なミトコンドリアが、より効果的に働けるのではないかと思われる。

 

  • ミトコンドリアの適応:ネブラスカ大学オマハ校の研究では、寒冷環境での運動が、ミトコンドリアを増やすための細胞シグナルをより強く引き起こす可能性が示されている。さらに、動物実験では、寒冷環境での運動が、より大きな持久力の向上につながることが確認されている。

    さらに、ガニョン博士が行った最新の研究では、34人の被験者に7週間にわたって週3回のインターバルトレーニングを指示。その際に、グループの半分は暖かい環境(約25℃)で、残り半分は寒冷環境(約0℃)でトレーニングを実施したところ、寒冷環境でトレーニングを行ったグループの方が、複数のミトコンドリア関連マーカーが有意に増加していた。

 

ということで、これらの結果を見ていると、寒い場所でのトレーニングはミトコンドリアの適応を促進し、持久力向上に役立つんだろうなーって気がするわけです。また、ガニョン先生は被験者の最大酸素摂取量(VO2 max)のデータも解析してまして、こちらについても寒冷環境でトレーニングを行ったグループの方が有意な改善が見られる傾向があったそうな。うーん、これは良いな……。

 

ただし、実験で行われた寒冷トレーニングを再現するのはなかなか難しくて、ガニョン先生は「約0℃の環境でTシャツと短パンだけ」って過酷な条件を採用してるんですよね。これを再現するのは難しいし、筋肉や体温が過度に冷えると持久力が低下するリスクもあるので難しいところではあります。実際のところ、寒冷環境で体温が下がりすぎると、運動の持久力が大幅に低下するって報告もありますしね。

 

もっとも、0度の環境でトレーニングをするのが不可能だとしても、コールドトレーニングの目的は「体を冷やすこと」ではなく、「筋肉が過熱しない状態を保つこと」にあるはずなので、この要件を満たす温度管理ができれば、寒冷地での運動の効果を最大化できそうな気はしております。

 

ってことで、研究はまだ初期段階って感じですが、いまみたいな冬の寒さを活かしたトレーニングは、持久力を高めたい人にとってナイスな選択肢になり得るんじゃないでしょうか。具体的に、冬場のトレーニングを行う際は、以下のような工夫をしてみちゃいかがかと思うわけです。

 

  • 適度な防寒を意識する: 寒冷環境で運動する際は、寒さを感じすぎず、かつ筋肉が過熱しない程度の軽装がよさげ。たとえば、気温0〜10℃であれば、Tシャツと薄手のジャケットが適切かもしれない。

 

  • 短時間のインターバルトレーニングを活用する:寒い環境では、長時間の運動よりも短時間の高強度インターバルトレーニング(HIIT)の方が効果的のような気がする。これにより筋肉の過熱を防ぎつつ、代謝適応を促進できるはず。

 

  • 身体の反応を観察する:寒冷環境でのトレーニングに慣れるまでは、運動中や運動後の体調を注意深く観察するのが吉。指先の冷えや震えが強い場合は、すぐに防寒対策を追加することが重要になるので注意。

 

繰り返しになりますが、コールドトレーニングはまだ仮説の段階であり、効果を裏付ける研究も限られているのでご注意ください。しかし、「冬の寒さ」を体を鍛える新しい手段として捉えることができれば、寒い時期のトレーニングのモチベーションも上がるんじゃないでしょうか。私は普段トレッドミルを使ったランニングがメインなので、コールドトレーニングをやったことがないんですけど、試してみても良いかもですなぁ。

 


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