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成功の鍵は“他人を褒めること”!地位不安から自由になる心理学

 
 

自分が参加したプロジェクトが大成功を収めたときに、「やっと努力が報われた!」と誇らしい気持ちになる一方で、「この成功が自分の手柄として認められるだろうか?」みたいな不安がわいたりするのはよくある話。そんな不安のせいで、他人の功績をほめるのを控えてしまったり、自己アピールだけをガンガンにしちゃったりといった行動に出るケースもあるでしょう。

 

新たにコロンビア大学から出た研究(R)では、こうした心理の状態を「地位不安」と呼んでまして、「この心理が起きるメカニズムを乗り越えることで、個人としてもチーム全体としてもさらに成長できるよ!」って結論を出してて面白かったです。

 

研究チームは、まず「なぜ私たちは“功績を他人と分かち合う”ことをためらうのか?」って疑問を提示してまして、その背後に「地位に対する不安があるよ!」って指摘をされております。どういうことかと言いますと、

 

  1. 「自分の評価や立場は不安定だよなぁ……」と感じる
  2. そのせいで、「“地位”や“功績”は限られた資源だ!」って気分が高まる
  3. そのせいで、地位や功績を他者に譲ったら自分の価値が損なわれる!と思ってしまう
  4. 他人と功績をわかちあう気持ちが失せる!

 

みたいなメカニズムが働いてるよーと考えてるんですよ。不安のせいで「地位や功績は限られたパイの奪い合いだ!」って「ゼロサム思考」が育ってしまうわけですな。

 

そこで研究チームは、地位不安が人々の行動に与える影響を明らかにするために、17の個別研究を実施。参加者に「過去に他者と功績を分かち合ったかどうか」を自己報告させたり、参加者に「地位不安」を感じさせたうえで行動が変化するのかをチェックしたりして、「功績を分かち合う」行動が実際にどのような効果をもたらすのかを検証したんですな。

 

分析の結果を、研究チームは以下のようにまとめております。

 

地位不安は、他者との地位を分かち合う可能性を減少させる。そしてその結果、彼らが切望する尊敬や称賛を得る機会を自ら奪い、不安を増幅させる悪循環に陥る。

 

地位不安によって功績をわけあう気持ちが減ると、その副作用で自分の評価が逆に下がってしまうんだ、と。これは重要な知見ですなぁ。

 

もう少し細かくまとめておくと、だいたいこんな感じです。

 

  1.  地位不安が功績の分かち合いを妨げる:地位不安が高い人ほど、「功績を分かち合う行動」が減少することが明らかになった。彼らは「他人に功績を譲ると自分の評価が下がる」と考える傾向があった。

  2. ゼロサム思考が悪循環を生む:功績を分かち合わない行動は、周囲からの評価を低下させ、結果として「地位不安」をさらに強化する「悪循環」を引き起こしていた。


  3. 功績を分かち合うと評価が高まる:一方、功績を分かち合った場合、自分自身の評価が向上することが確認された。これは、周囲から「他者を称賛する懐の深い人」と見なされ、信頼と尊敬を得るのが原因である。

  4. 「地位のパイ」は拡大する:功績や地位は限られた資源ではなく、他人と分かち合うことで「全体の評価」が上昇することがわかった。これは、個人の評価にもポジティブな影響を与える。

 

全体的に見ると、他人に功績を譲ることができない人は尊敬を得るどころか自分の地位をさらに脅かし、他人の功績を褒められる人は逆に自身の評価をアップさせるわけっすね。ここらへんの心理は、わかっていても実践は難しいかもしれませんね。

 

では、どのような人がこの「地位不安の悪循環」に陥りやすいのかってことで、研究ではそのあたりも特定してくれております。

 

  • 他人との比較が多い人:「自分より優秀な人が多すぎる」と感じやすくなる。
  • 自分の能力への不安が大きい人:「自分は本当にこのプロジェクトに貢献できたのだろうか?」と感じやすくなる。
  • グループからの孤立感が強い人:「このチームで自分は本当に必要とされているのだろうか?」と疑問を抱きやすくなる。
  • 過去の失敗のトラウマがある人:「前回の失敗がまた繰り返されるのでは?」という恐怖に襲われる。
  • 差別や偏見の影響が強い人:性別、年齢、外見、社会的地位などによる評価への不安を抱えている。

  • ステータスの維持へのプレッシャーが強い人:現在の地位や評価を失う恐怖が強くなる。

 

ここらへんの要素が強い人は、功績を他人と分かち合う余裕を持つのが難しくなり、ますます自分を追い詰めてしまうわけですな。

 

逆に、ここらへんの要素が弱い人は「功績を分かち合う」ことに躊躇がないので、以下のようなメリットを得られるんだそうな。

 

  • 他者からの信頼が向上する:他人を称賛する姿勢は、「器が大きい」と評価され、周囲からの信頼を得やすくなる。

 

  • チーム全体の評価が上がる:個人だけでなく、チーム全体の成果として評価されるため、グループ全体の地位が向上する。

 

  • 「地位のパイ」が広がる:地位や功績は「限られた資源」ではなく、分け与えることで全体の評価が上がり、自分への信頼も高めてくれる。

 

こうして見ると、「功績を分け与えまくる」ほうが、結果的に自分自身の利益にもつながって良さそうっすね。

 

もちろん、「自分の努力を認めてほしい」って気持ちを持つのは自然なことなんだけど、実際には他人の功績を褒めまくったほうが、結果的に自分自身の評価も高まりますんで、とにかく自分が持っている「地位不安」や「ゼロサム思考」を意識するのが大事でしょうね。どうぞよしなにー。


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