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結局はEQよりIQのほうが大事なんじゃない?という話

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 心の知能指数と呼ばれる「EQ」って概念が流行ったのはもう15年も前の話。他人の気持ちを理解したうえで、自分の感情をコントロールできる能力のことでして、ここ数年は「IQよりもEQが高くなければ成功しない!」(1)などと言われてきたものです。

 

 

が、「GIVE & TAKE 『与える人』こそ成功する時代」で有名なアダム・グラント教授が行った実験(2)によれば、「やっぱりEQよりもIQのほうが重要っぽい」んだとか。



 

これは、数百人のセールスマンを対象にした研究で、まずは彼らのEQとIQのレベルをチェックしたうえで、それぞれの営業成績とくらべてみたんですな。その結果、EQが高くても仕事の成果が上がるわけではなく、その一方で、認知機能の高さと営業成績はハッキリと連動していたんだとか。具体的には、

 

  • 高IQ 年間195,000ドル
  • 中IQ 年間159,000ドル
  • 低IQ 年間109,000ドル

 

って感じ。なんでも、2010年にも過去のEQテストを比べる論文(3)が出たんですが、ここでもEQと仕事の成績は1%ぐらいしか関係がないのに、IQは約14%ほど関連性があるって結論になったらしい。

 

 

こういった結果になるのは、結局はIQが高くないとEQを発達させる能力が育たないからだそうな。実際、統計データを見ると、たいていはEQが高い人はIQも高いみたい。なんだかんだで、感情のコントロールにおいても、認知機能の高さがベースになるわけですね。

 

 

そんなわけで、グラントさんは、もちろんEQが役に立つ場面はいくらでもあると認めたうえで、「EQの重要性は過大評価されすぎじゃね?」と評しております。うーん、これは納得できる気がする。とりあえず「Brain Workshop」でもやって認知機能を鍛えるか…。

 

credit: danielito311 via FindCC


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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