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締め切りを設定しても先延ばしは克服できない


自己啓発の世界では「先延ばしをふせぐには自分で締め切りを設定しろ!」なんてアドバイスをよく聞きますが、そう簡単にはいかないことを示したのが、行動経済学者のダン・アリエリーが2002年に行った研究[1]。 



 


これは「予想どおりに不合理」でも紹介されていた実験でして、被験者の学生たちを3つのグループにわけて、12週間の学期中に3回のレポートを書かせたんですな。



各グループには、以下の3パターンの締め切りが設定されました。

 

  1. 自分で3回分の締め切りを決める
  2. 学期の最後の講義までに提出する
  3. 実験者が締め切りを決める



その結果、もっとも良い成果をあげたのが、3番の「外から締め切りを強制される」パターン。最下位は2番の「ギリギリまでになんとかすればいいや」パターンで、自分で締め切りを決めた学生たちは真ん中に落ち着いたそうな。結局のところ、外から無理やりにやらされないと人間の先延ばし傾向は治らないみたい。


とはいえ、この結果を見ると自分で締め切りを決める方法もまあまあ有効に思えるんですが、 2014年に行われた追加の研究によれば、事態はそう簡単でもないらしい[2]


この実験の内容は2002年のものとほぼ同じなんですが、唯一「最後の締め切りに少しでも遅れたらレポートを受け取ってもらえない」のが大きな違い。やや締め切りに余裕があった2002年版にくらべて、だいぶリミットが厳しくなったんですね。


すると、学生たちのモチベーションに大きな変化が起きまして、今度は1番の「自分で締め切りを決める」パターンが最下位に転落しちゃったんですな。どうやら、リミットが厳しさを増すほど、自分で締め切りを決めた人たちは「こりゃ終わらせるのはムリだ」って心理状態におちいりやすくなっちゃうらしい。


言わずもがな、現実世界では締め切りが厳しい状況のほうが普通ですから、「先延ばしをふせぐには自分で締め切りを設定しろ!」ってアドバイスが効果を持つ場面は意外と少ないのかもしれませんねぇ。

 


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41才のプロパレオダイエッター/編集者/ライター/NASM®公認パーソナルトレーナー。国内外の学術論文を読み漁るのが好きな人。パレオダイエットの本を書きました。