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重要なのは「なにをすべきか?」じゃなくて「なにができるか?」

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困ったことが起きたときは、「なにをすべきか?」じゃなくて「なにができるか?」と自分に問いかけたほうがいいよ!と主張するハーバードのワーキングペーパー(1)がおもしろいのでメモ。



 

この論文の趣旨はとてもシンプルで、たとえば「この問題をどうすべきか?」(should)と考えると、自然と言葉の裏に必ず「正しい答え」と「間違った答え」があるって意味合いがふくまれちゃって、物事をクロかシロかの二択でしか考えられなくなってしまうから。

 

 

ところが、「この問題になにができるか?」(could)と考えると、選択肢の幅が広がって、よりよい解決策を思いつく可能性が高まるわけですね。研究者たちは、この考え方を「couldマインドセット」と呼んでおります。

 

 

この説を確認するために、研究者たちは206人の被験者を対象にオンライン調査を実行。モラルに関する問題(末期がんの妻を救うために泥棒をした夫を許すべきか?みたいなやつ)を読んでもらったうえで、被験者の半分に「夫はどうすべきでしたか?」と質問、残り半数には「夫はなにができたでしょうか?」と尋ねたんですね。

 

 

すると、「夫はなにができたでしょうか?」と尋ねたほうが、よりクリエイティブな解決策を思いつく確率が高くなったんだそうな。

 

 

研究者いわく、

 

「すべき(should)」という考え方をすると、わたしたちは数ある選択肢のなかから最も優先事項の高いものを選ぶことになりがちです。その結果、他の価値感を無視することになってしまいます。

 

逆に「できる(could)」という考え方は、必ずしも問題をトレードオフの関係でとらえなくてもよいという事実に気づかせてくれるのです。

 

とのこと。そんなわけで、次からは、なんらかのジレンマに悩む状況になったら、「なにができるか?」と自分に聞いてみることにします。

 

credit: Robert Bruce Murray III // Sort Of Natural via FindCC


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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