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サブリミナル効果がアンチエンジングに効くらしい

perceptions

 特定のイメージや単語を無意識にすり込んで精神をあやつる「サブリミナル効果」。いかにもうさん臭そうなテクニックですが、エール大学のベッカ・レヴィ博士の実験(1)によれば、サブリミナルには老化を遅らせる可能性があるらしい。




このレヴィ博士は、20年にわたって精神と老化の関係を調べてきた方で、過去に行った研究(2)では、以下の2タイプの老人たちの違いを調べたんですね。
  • 老化に対して良いイメージを持っている:「老人は賢い!」とか「老人は活力がある!」とか
  • 老化に対して悪いイメージを持っている:「老人は気難しい」とか「老人は無能だ」とか

すると、良いイメージを持つ老人のほうが、全体的に歩くスピードが早く、記憶力も衰えておらず、病気の回復力も高かったとか。なにより、平均で約8年も寿命が長い傾向があったってのが凄い(3)。まさに老化は気の持ちようなわけですね。


で、そのへんの解決策に触れたのが最新の論文。これは100人の老人たち(平均81才)を対象にした実験で、みんなに以下の作業をしてもらったんですね。
  1. 「賢者」「創造性」「活力」「健康」といったポジティブな単語を、脳が認識できないスピードでモニタに表示させ、それを1日15分間だけ見続ける(サブリミナル)
  2. アクティブに活動する老人について書かれたエッセイを、1日に15分間だけ読む

3週間後の結果は予想どおりで、サブリミナル効果を使ったグループのほうが、身体のバランステストの成績が高く、歩行スピードも速くなっていたんですね。


この結果に関してレヴィ博士いわく、

サブリミナル効果には、無意識の抵抗をすり抜ける作用があるからでしょう。マスコミ・広告・日々の会話によってネガティブなイメージをすり込まれ続けていると、わたしたちの心は、自然とそのイメージを保つ方向に動き出します。サブリミナルは、その心の働きを回避するのです。

とのこと。もちろん、「サブリミナル効果の科学」(http://amzn.to/2tD9N6y)なんかを読むと、「サブリミナルの影響は長続きしないよ!」ってデータも多いみたいなんで、今回の実験の効果がどれだけ持続するのかは不明ではあります。ただ、これだけ手軽な作業で、ガッツリと老化を防ぐ効果が得られるってのは良い話ですねぇ。


credit: subliminal_sri via FindCC

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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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