「アーモンドミルクは美容とダイエットに効きまくる!」はどこまで本当か?
「アーモンドミルクは美容とダイエットにいいんですか?」とのご質問をちょうだいしましたので、ちょっと考えてみたいと思います。確かに、近ごろはグリコの「アーモンド効果」なんかをコンビニでも見かけるようになりまして、ブレイクしつつある感じですねぇ。
まずはアーモンドミルクのメリットから
そんなわけで、まずはメリットから並べてみましょう。 アーモンドミルクには、ざっくりと以下の健康成分がふくまれております。
- ビタミンE:言わずと知れた抗酸化成分。全身の酸化ダメージを減らす効果に関しては、かなりのレベルで実証されております(1,2)。
- マグネシウム:不足すると体内の酸化が進むため、アンチエイジングを人は補給が必須(3)。
- プレバイオティクス:腸内細菌の活動を助ける働きをする成分。特にアーモンドにふくまれるプレバイオティクスは、腸内の善玉菌のエサになって、美容の助けになることがわかっております(4)。
- 各種ポリフェノール:アーモンドのポリフェノールには、悪玉コレステロールの酸化をふせぐ作用がありまして(5)、やはり美容には非常によろしいかと思います。
と、これだけ見ると良いことだらけのようですが、ちょっとした難点がありまして…。
せっかくの栄養素が抜けちゃう問題
難点の1つめが、上にあげた健康成分の多くが、アーモンドの皮にふくまれてるってとこ。ビタミンEやマグネシウムは問題ありませんが、プレバイオティクスやポリフェノールに関しては皮のほうが豊富なんですよね(6)。
市販のアーモンドミルクは、たいていが皮を取り去った状態で作られますんで、それなら普通にアーモンドを食べたほうがいいんじゃないか、と。
オメガ6の酸化が心配
「健康に良い『ベストな糖質源』を番付にしてみた」でもチラッと触れましたが、アーモンドには意外と大量のオメガ6(リノール酸)がふくまれております(7)。「いくら食べても食欲がおさまらないのはなぜ?」でも取り上げたとおり、オメガ6は体内の炎症や老化を促進する成分で、決してアンチエイジングにはよろしくないんですね。
もっとも、アーモンドには大量のビタミンEがふくまれているので、オメガ6のダメージに関してはそこまで心配する必要はありません。ただし、これがアーモンドミルクになると話が変わってきちゃいまして。
というのも、アーモンドのリノール酸は熱に弱い性質があるので、加熱すると一気に酸化が進んじゃうんですね。市販のアーモンドミルクの製造過程はよくわかりませんが、普通に考えれば高温で殺菌処理をしているでしょうから(8)、かなり脂質の酸化が進んでいるのではないかと。それなら普通にアーモンドを食べたほうがいいんじゃないか、と。
その他の添加物が心配
これは、少し前に取り上げたココナッツウォーターも同じですが、市販のアーモンドミルクには、結構な量の添加物がふくまれております。砂糖が体によくないのはもちろんのこと、増粘剤としてカラギーナンが入ってたり。
カラギーナンンには消化器官の炎症を起こす作用がありまして(9)、リーキーガットの原因となる可能性も。これまた、美容にはあまりよろしくない成分の1つであります。それなら普通にアーモンドを食べたほうがいいんじゃないか、と。
まとめ
そんなわけで、アーモンドミルクに関して見てみました。基本的にアーモンドは健康成分のかたまりなんで、もちろんアーモンドミルクも美容と健康には良い飲み物だと言えます。
ただし、市販の製品には酸化や添加物の問題が出てきますんで、どうしても飲みたいなら自分で作って皮まで食べることをオススメします。というか個人的には、普通にアーモンドを食べたほうが手間もコストもかからなくて楽かなーと思いますが。
credit: JeepersMedia via FindCC