心理学者「上から目線の人は、簡単な仕事ばっかこなして優越感にひたってるだけ」
「上から目線はなぜ生まれるの?」って論文(1)がおもしろかったんでメモ。
上から目線の人は何が違うのか?
これはワシントン州立大の実験で、「上から目線」の心理をチェックしたもの。まずは200名の学生を対象に、「自分の能力に対するスタンス」を調べたんだそうな。
具体的には、
- トレーニングや学習で自分の能力を伸ばすことはできないと思う
- 基本中に自分の知性や能力は変えることができると思う
みたいなアンケートに答えてもらったんですね。その後、全員に大量の認知テストをやってもらったところ、
「能力は変えられない」と考えている生徒は、「能力は変えられる」と考えている生徒よりも上から目線になる傾向があった。
って結果が出たらしい。どうやら上から目線の背景には、自分の能力に対するスタンスの違いがあるみたい。
上から目線の人は簡単な作業にしか手を出さない
なぜ上から目線の心理が生まれるかというと、
多少の自信なら役に立つが、上から目線の状態まで行くと、重要な学びのチャンスを逃しやすくなり間違った決断をくだしやすい。
(上から目線の人たちは)簡単で時間がかからないタスクだけに集中するため、あたかも他人より自分が有能であるかのような錯覚を抱いてしまう。
いっぽうで「能力は伸ばせる」と信じている人は、難しいタスクにもひるまずに取り組むのだ。
とのこと。つまり「上から目線」が生まれる心理は、
- 自分の能力は伸びないと考えている
- 能力に自信がないので簡単な仕事ばかりこなす
- 簡単なので大量に仕事をこなしていく
- 「俺、他人より有能なんじゃね?」という錯覚が生まれる
- 上から目線の誕生!
って流れですね。自信過剰のように見えて、その裏には自己の能力への不信感があるんだ、と。わかる気がしますなぁ。
今回の研究は、「能力は伸ばせる」という気持ちを持てば、学習の効率があがることを示している。彼らは、自分が何をすべきで、何を知らないかをよく理解しているからだ。
過去にも「『人は変われる!』と信じたほうが健康も頭も良くなる」ってデータもありましたし、やっぱ「やれば能力は伸ばせる」と思ったほうがいろいろと良いっぽい。実際、ここ数年の研究で、いくつになってもヒトの脳は学習で変わるって事実があきらかになってますしね。