老化の最大ポイント「炎症」を極限まで抑えるためのガイドライン
「老化の一番の原因は炎症!」ってデータを見て、あらためて炎症対策への思いを熱くしております(笑)
2013年にフローニンゲン大学から出たレビュー論文(1)によると、
現代におけるほとんどの慢性病は、不健康なライフスタイルと慢性炎症が主要な原因になっている。
わたしたちが持つ古代の遺伝子と現代の環境には、大きな対立が起きている。この問題を解決することが、健康的に老化するための唯一の手段かもしれない。
とのこと。 炎症の問題に取り組むには、やっぱしヒトの進化をベースに対策を立てていくのがよさげであります。
当ブログでは、体内の炎症をおさえる方法について何度か書いてますが、自分のチェック用にポイントをまとめときます。上から全部やっていけば、慢性炎症とは無縁の体になれるはず。
1.カロリーの質が高いものを選んで食事量を自動で調整する
慢性炎症の原因はいろいろありますが、なにより大事なのはカロリーコントロールであります。
食べすぎれば肥満で炎症が進むし、食べなさすぎるとストレスホルモンでやっぱり炎症が進んじゃう。体が欲する適度なカロリーをとるのは超大事。
といっても、いちいちカロリー計算なんかしてらんないんで、最終的にはカロリーの質にこだわるのが楽。具体的には以下のガイドラインをどうぞ。
- ダイエットにおける真の問題はカロリーの量じゃない!「質」だ!「カロリーの質ってなに? #1」
- カロリーの質が高い食品グループランキング「カロリーの質ってなに? #2」
- カロリーの質が高い炭水化物を食べよう!「カロリーの質ってなに? #3」
- カロリーの質が高いタンパク質を食べよう!「カロリーの質ってなに? #4」
- カロリーの質が高い脂肪とフルーツを食べよう!「カロリーの質ってなに? #5」
カロリーの質を高めると、脳が必要以上に興奮しなくなりますんで、わざわざ計算しなくても体が勝手に適切な食事量を教えてくれます。
2.男性は体脂肪を15%以下、女性は体脂肪を22%以下に
体脂肪はたんなるエネルギーの貯蔵庫ではなく、炎症を起こす物質をガンガン分泌する働きも持っております(TNF-αとか)。痩せると健康になるのは、脂肪が吐き出す炎症物質が減ったおかげでもあるんですな(2)。
そんなわけで、体脂肪が多めの人はまずは減量が第一。具体的には、
- 男性は体脂肪を15%以下
- 女性は体脂肪を22%以下
が炎症をおさえる目安になるでしょう。さらに具体的には以下をどうぞ。
3.睡眠は量より質をとる
古代と現代のミスマッチといえば睡眠こそ代表格でしょう。現代人の睡眠の質は非常に低いようで、狩猟採集民より長く眠っても体が回復しにくいようなんですな。
どうやら、炎症が少ない狩猟採集民は1日5〜6時間の睡眠でも十分なのに、先進国で暮らすと8〜9時間の睡眠が必要になっちゃうらしい。
実際、いくつかの研究(3,4)を見ても睡眠不足で炎症が進むのは間違いなし。具体的な対策としては以下のエントリをどうぞ。
4.運動!運動!運動!
運動が炎症に効くのは、2000年代の初めごろから何度も確認されてきた事実(5)。やり過ぎは禁物ですが、適度に体を動かすのは炎症対策に必須であります。
といっても炎症に効く運動レベルは個人によって違いますんで、以下を参考にジワジワと活動量を増やしていただければと思います。
5.プレバイオティクスで腸を満たす
プレバイオティクスは腸内細菌のエサになる食物繊維のこと。当ブログでもレジスタントスターチやガラクトオリゴ糖やイヌリンなどを取り上げてまいりました。
プレバイオティクスの効果は2000年代から研究(6)が進んでまして、
- 腸内のバリアーをブ厚くする
- 腸のpHレベルを下げる
- 腸内細菌の種類を増やす
- 短鎖脂肪酸の量が増える
といったさまざまな方向から炎症を消し止めてくれることがわかっております。なんせ狩猟採集民の食物繊維はハンパないんで、積極的にマネしていきたいところです。
6.できるだけマイルドな料理法を使う
ここんとこ「実は老化対策には料理法が大事!」って風潮が高まってまいりました。なんせ大昔は現代のような高温調理の技術がなかったんで、まだヒトの体が適応できてないんですな。
ここで問題になるのが、ご存じAGEsであります。タンパク質と糖が熱でくっついた成分で、体内に吸収されると酸化ダメージが大きくなり(7,8)、全身に炎症を起こす原因になるんですね。
AGEsを減らすには、
なんかが有効。とにかくマイルドな調理方法を使うのがポイントであります。
7.マヨネーズ、ラー油、サラダ油は禁止
うつ病の原因は脂肪の酸化!って話もあったように、悪い油は細胞の酸化ダメージを進め、さらには炎症性の物質をドバドバと出す原因になっちゃう。
その原因はオメガ6脂肪酸でして、普段からマヨネーズやラー油、サラダ油の摂取量が多いと細胞レベルで炎症が進んでいる可能性が大。スナック菓子の成分表に「植物油脂」と書いてある場合も、危険度はあがってまいります。
なにより外食が多いと自然にサラダ油の摂取が増えがちなんで、できるだけ自炊をして欲しいところ。節約にもなるし老化も防げるしで、一挙両得と考えていたければ幸いです。