中年になったら若者よりも肉を食わねばならない理由
いまのタンパク質推奨量は少なすぎるかも
当ブログでは、よく「タンパク質は大事!超大事!」なんて話を書いています。なんといってもタンパク質は体の部品を作る材料なので、まずはお肉や魚の摂取量を決めてから、炭水化物や脂肪を割り当たほうが良いのではないかと思う次第。
タンパク質の摂取基準にはいろいろありまして、
- 厚労省:成人の推奨量(g/日) = 0.72 × 体重(kg) × 1.25
- WHO:体重1kgあたり0.8g
みたいな感じになっております。ただし、この推奨量には2つの問題があるんですよ。
- 若い人を対象にしたデータをもとに数字を出している:ほとんどの基準値は20〜30代のデータをメインにしてまして、わたしのようなアラフォーのオッサンは、もっとタンパク質を摂ったほうがよさそうなんですな。実際、高齢者ほど高タンパク食のほうがいいっていう観察研究は昔から多いですし(1)。
- 調査法がちょっと古い:現在の基準値は、体外に排出される窒素バランスをベースに算出しております。くわしい話は省きますが、この数字は一定しないことが多く、タンパク質を多めに食べても窒素量は少なめに出たりしちゃうことが多いんですね。
そんなわけで、いままでの数値が間違いだとは言わないものの、「実際にはもうちょい摂ったほうがいいんじゃなかろうか…」といった疑いはあるわけです。
年を取ったら多めのタンパク質を心がけるべし
といったところで参考になりそうなのが、近ごろカナダで行われた実験(2)。6名の高齢者(65才オーバー)に対して、IAAO法でタンパク質バランスをチェックしたんですな。IAAOはここ10年ぐらいでメジャーになってきた計測法で、より正確に必要なタンパク質量を割り出せると評判のテクニックであります。
実験デザインが複雑なんで、とりあえず結果だけを抜き出しますと、
- 年を取ったら1日に体重1kgあたり1.24gのタンパク質がオススメ!
って感じ。WHOや厚労省の基準よりもかなり多めになっております。ちなみにこれは最低の推奨量なんで、筋肉が多めの方は体重1kgあたり1.6gまで摂るのがよいかもしれないとのこと。
ちなみに2007年には、若者を対象にIAAOを使った実験(3)もあるんですが、こっちも「体重1kgあたり1.14gのタンパク質が必要!」って結論になってたりします。どうやら老いも若きも、いままでの推奨量より多めのタンパク質が必要な可能性は高そう。
そんなわけで、年齢が高めの方ほど、一般的な推奨量より多めのタンパク質を心がけたほうがよさそう。わたしのように筋トレを日課にしているアラフォーなどは、以前に「タンパク質はどれだけ摂ればいいのか?」で紹介した「体重(kg) × 1.6g」のタンパク質を目指すのがよいかと思う次第です。