アラフォー超えのオッサンが、記憶力を減退させないために心がけるべき注意点
オッサンの脳はダメになったわけじゃない
年をとれば誰でも記憶力が落ちるもんでして、40才になったあたりから一気に物覚えが悪化していくと考えられております。わたしも近ごろは、腸内細菌の名前とかをすぐに思い出せずに難儀してたりとか。
ついつい「やっぱ年をとると頭が衰えるのかなー」とか思っちゃうわけですが、近ごろ出た論文(1)によれば、オッサンとはいえ必ずしも脳がダメになったわけでもないらしい。
これはマギル大学の実験で、19〜76才までの男女112名を対象にしたもの。実験の流れとしては、
- 全員に見知らぬ人の顔写真を見せる
- しばらく経ったあとで、写真の顔を思い出してもらう
- その際、全員の脳をMRIでスキャンする
といった感じになっております。
オッサンになると脳の使い方が変わる
その結果わかったことは、
- 若い人たちは、おもに視覚に関する脳の機能が活性化していた
- 40歳を過ぎた人たちは、自分の人生や自分の内面について考えるための機能が活性化していた
というものだったんですね。たとえば、
- 若者「この人は、目の間隔がが少し離れていて、髪は肩まであって…」みたいに具体的な顔のイメージを記憶
- 中年「この人は、10年前に付きあってた彼女にちょっと似てるな…」みたいに自分の体験などと関連づけて記憶
のように覚え方に差があったわけですね。中年は自分の体験をもとに記憶してるせいで、よけいな情報がまぎれて後で思い出しにくくなるんだ、と。言われてみればそうかもなぁ。
記憶したい対象の細部に気を配ればOK
研究者いわく、
つまり、中年の脳には“欠陥”があるわけではなく、大人になるにつれて「何を重要な情報だと判断するか」の基準が変わっただけなのだ。
とのこと。決して中年も記憶力が下がったわけではなく、年とともに脳の使い方が変わっていくからじゃないの?って話ですね。おもしろいもんです。
中年や高齢者は、自分の内面をベースに物事をおぼえるのではなく、記憶したい対象のディテールに集中すると、あとで思い出しやすくなるかもしれない。
いくつかの実験では、マインドフルネス瞑想で記憶力が上がったとの報告が出ている。それは、瞑想トレーニングのおかげで細部に目が行くようになるからかもしれない。
確かにマインドフルネス瞑想は、対象へ直に向き合うためのテクニックですからねぇ。慣れると自分のなかの余計な情報や記憶にまどわされないようになっていくんで、物事のディテールに意識が向けやすくなるのかも。
いずれにせよ、わたしのようなオッサンは、マインドフルネス瞑想にはげむか物事のディテールを意識するだけでも、だいぶ物事を忘れずにすみそうであります。これこそ覚えておこう。